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時をかける無敵少女

9月の雑記、テーマは「手紙」です。

20歳の時、同窓会で手紙を受け取りました。
10年後の自分に向けて、小学4年生の自分が書いたものです。
未来の自分に向けての手紙。感動やノスタルジーを伴う印象がありますが、私が書いたものはそんな高尚なものではありません。


「おい!!元気か?ちゃんと作家になってるか?」
まず、10歳年上の人間に向けた手紙の書き出しではない。
「今そっちの世界にドラエモンみたいなのはいる?もーききたい事がいっぱい!!」
と書いておいて、その直後に
「写真をみて今の自分とくらべてみなさい。」
と指図したかと思ったら
「ま~それでは、このへんで。」
と唐突に終了。読む人のことなど何も考えていません。
(ちょっとだけ省略していますが、原文もこれくらいの文量です。ドラエモン表記も原文ママ。)

なんだろう。この"無敵"感。
10歳。自分のやることは全て正しく、自分は何にでもなれると思っていた、そんな時期ですね。
自信満々の少女の手紙に入りこんだ当時のエネルギーは、何者にもなれていない一介の大学生に直球で届きました。苦笑するしかなかったけど。

直筆の手紙は特に、ですが、文字とともに刻まれた空気は平気で時空を飛び越える。
だから私は文章が好きなんだと思います。

そういえば返事を書いていなかった。

前略
ご丁寧なお手紙どうもありがとう。(嫌味だぞ。)
残念ながら、今のところ私は作家にはなっていません。じゃあ何をしているかというと、図書館の本のデータを作る仕事をしています。「えーなにそれ地味ー。」って?まぁ、地味だというところは否定しないけど。
でも、本を探している人が必要な本にたどりつくために、なくてはならないものだよ。
本と人の橋渡し。どうだい?まぁまぁカッコいいだろう?
そういうわけで君の未来はなかなか明るいから安心して小学校生活を楽しみなさい。
あ、そうそう。少なくとも2018年現在、デパートにほんやくコンニャクは売っていないから英語の勉強はしっかりやっておくように。では。 草々
10歳の私へ 平成30年の私より


手紙が登場する本は数多くありますが。
くちびるに歌を

中田永一(著)
小学館
(2011.11)

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