根拠があります~典拠のはなし~
「令和」ブームで、メジャー感が出てきた「典拠」や「出典」。
TRC典拠ファイルにも「出典」という項目があります。
その典拠ファイルの重要な部分について
何を根拠に作成したのかを示すもので、数種類あります。
例えば、ノーベル化学賞が授与されると発表された吉野彰さん。
TOOLiで典拠ファイルを開くと
漢字形 吉野/彰
カタカナ形 ヨシノ,アキラ
出典(カタカナ形) 標・奥・背・表・標裏・クレジット
とあります。
吉野さんの典拠ファイルを作成した際に
図書の情報源(標題紙・奥付・背・表紙・標題紙裏・クレジット)
にお名前の読み方があったので、
そこから統一形のカタカナ形を採用したことを示しています。
お名前の読み方は、図書から採るだけではありません。
研究者であれば「researchmap」のような資料からも採用しますし、
図書になければ、ご本人の「ホームページ」などからも。
音楽CDをもとに典拠ファイルを作るならば「Allmusic」など
ジャンルに特化した資料も参照します。
もちろん、人名事典に載るような歴史的人物ならば、
各種事典をひととおり調査したうえで
「国書人名辞典」のような資料名が入ることもあります。
典拠ファイル(人名・団体名・件名)で
出典として示しているものは
現在350種以上(いまは使用していない古い資料も含みます)。
さらに、新しく使えることがわかった資料があれば採用し、
他の資料と比べた信頼性を検討して資料の優先順位をつけ、
毎年見直しを行っています。
出典は、典拠ファイルの片隅に小さくあるだけで
検索の役には立ちませんが、
その拠り所(典拠)を示す肝なのです。