今月の雑記のテーマは「今年こそ読みたい本」。
改めていわれると、なかなかに難しいこのテーマ。
なにを書こうか悩みましたが
今年こそ読みたい......今年こそ見つけたい本、ありました。
「読みたいなぁ」と思い焦がれること早幾年。
しかしいまだに読めずにいる作品が「梁塵秘抄」です。
名だたる小説や短歌にも引用・オマージュされているこちらの本。
後白河法皇撰の平安末期の歌謡集であり、
「あそびをせんとやうまれけむ」の一節は耳にした方が多いのではないでしょうか。
書店や図書館にはもちろん置いてあるのですが、
どうにもしっくりくるものに出会えず......。
「いつか探そう」「いつか読もう」と思っていたものの、
日々の諸々にかまけてすっかり忘れていました。
同じ底本でも、訳や校註、体裁によって読み味は異なるもの。
本へのこだわりは強くないほうですが、
しかし古典は別です。
自分に馴染む注釈で、時代背景をあれやこれやと想像しながら
作品の味を楽しみたい。
自身の推し本のひとつ「聊斎志異」も、
好みの訳注に出合うまで長い年月がかかりましたが
そのぶん入手したときの喜びもひとしお!
「梁塵秘抄」も、ところどころつまみぐいしているものの、
通読熟読はお気に入りを見つけた後のお楽しみにしてあります。
さてさて、せっかくの機会ですし、
奮迅して「これだ!」という自分好みの1冊を求めて
仕事あがりに図書館や古書店街をさまよってみたいと思います。
今年こそ読めますように......!