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作られ続ける神話~分類・件名のおはなし・105~

データ部で仕事をしていると、昨今でトレンドになっている事柄をテーマとした本がよく入ってくることがあります。
それはネット上で名前を目にしない日はないものだったり、水面下で静かにブームになっているものだったりと様々ですが、
その中でも私が「最近、取り扱う本が増えているなあ」と思っているのが、「クトゥルー神話」です。

ギリシャや北欧などにあるような神話の一つかな?と思われるかもしれませんが、少し違います。
20世紀に活動していたアメリカの怪奇作家、H.P.ラヴクラフトの小説から広がった架空の神話体系です。
ラヴクラフトは存命時に単行本を出すことが叶わなかった作家なのですが、雑誌の掲載作品や、作家仲間との文通から生まれた独特の恐怖世界は、後に彼の友人によって体系化されることになります。
やがてそれは大きく知れ渡ることとなり、今では日本でも彼の小説や、それに影響を受けた作品が次々と発売・発表されるようになりました。

そのため、名に「神話」とついてはいるものの、分類は神話・神話学を扱う164ではなく、文学を表す9類になります。
ラヴクラフトの作品そのものはアメリカの近代小説を示す933.7が当てはまります。

クトゥルーの呼び声

H.P.ラヴクラフト(著),中央東口(著),森瀬繚(訳)
星海社(2017.11)

後に書かれたクトゥルー神話の世界を舞台にした小説は、それぞれの小説が書かれた言語の文学の下に収められています。日本人が書いた小説ならば913.6です。

邪神金融街

菊地秀行(著)
創土社(2017.7)

また、「クトゥルー神話」は作品件名にもなっています。この神話体系についての解説や作品研究の本を求めているなら、件名を使って探すことも可能です。
統一形は「クトゥルー神話」ですが、呼び方や表記がたくさんあるので「クトゥルフ神話」や「ク・リトル・リトル神話」などといった参照形も色々作成しています。

クトゥルフ神話ガイドブック 改訂版

朱鷺田祐介(著)
新紀元社(2020.10)

近年では図書館のイベントでクトゥルー神話をテーマにしたゲームで遊ぶ催しが開かれることもあるので、そこで名前を知った方もいるのではないでしょうか。
最近話題を目にするから気になるけど、詳しいことがわからない...と思った場合には、上記の件名を活用すると、求めていたものが見つかるかもしれませんね。

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