2月の雑記のテーマは「鬼」。
鬼、と言われて思い浮かぶものは人それぞれだと思います。
頭に角を生やし、虎縞のパンツを履いた存在だったり、最近でいえば漫画やアニメに出てくる敵役だったり。
大抵は力強い妖怪や怪物、といったイメージが根付いているのではないのでしょうか。
中国だと、鬼と言われたら幽霊を指すことが多いです。もちろん妖怪としての鬼もいますが、霊魂や魂魄といった形のないものが人間として形をあらわしたものもそう呼ばれており、日本でいう怪談話もたくさんあります。
邪悪な存在も中にはいますがその限りではなく、若い女性の幽霊と生きた人間の男性が恋する異類婚姻譚もいくつかあり、恋の末に女性が生き返る話もあったりします。
今日日本で使われている意味とはだいぶ印象が違いますが、日本でも「鬼籍に入る」という言葉があるように漢字のルーツとなった国で使われている意味の名残があるように思えます。
ちなみに、節分では鬼に豆を投げて退治しますが、中国で鬼に対し効果があるのは桃だそうです。なんでも邪気を払う効果があるのだとか。
そういえば、日本神話でイザナギが黄泉の国から帰る際、イザナミの命令で追ってきた黄泉醜女を追い払うために使ったのも桃でしたね。黄泉醜女も「鬼女」として扱われます。黄泉の国の鬼、ということで幽霊に近い意味も感じるような...?
今でこそ日本と中国で違う意味合いを持つ「鬼」ですが、古代から今まで、その言葉がどのような変遷を辿ってきたかを調べれば、面白い発見がありそうです。