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ゾウガメとトイレ

今日は「週刊新刊全点案内」2210号の発行日です。
掲載件数は1070件でした。


*こんな本がありました*


生物に学ぶガラパゴス・イノベーション

稲垣栄洋(著)
東京書籍(2021.5)


ガラパゴス化。よく聞く言葉です。あまりよくない、揶揄するような意味として。辞書を調べてみるとこう書いてありました。


(ガラパゴス諸島の生物進化のように)周囲とは懸け離れた、独自の進化をすること。特に、IT技術やインフラ、サービスなどが国際規格とは違う方向で発達すること。日本の携帯電話など、高度で多機能であるが特殊化されていて世界市場では売りにくいものについていう。(デジタル大辞泉)


なるほど。国際規格と違うから売りにくい→だからよくないという印象が強いのですね。

しかし、ガラパゴス化は「オリジナリティに満ちた進化」であり、決してダメなことではない!と主張するのがこの本。かのチャールズ・ダーウィンも言っていました。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」...と。

ガラパゴスゾウガメやダーウィンフィンチといったガラパゴス諸島で生き延びた生物たちと、ウォークマンやウォシュレットといった日本が世界に誇れる発明品が、ガラパゴス化で成功した者たちの例として並んで挙げられています。ゾウガメとトイレの意外な共通点がここに。

閉塞感を感じる昨今、私たちはどのような「変化」で生き残ることができるのか。そのヒントはガラパゴスにありそうです。

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