ADEAC春の公開情報その1
皆様こんにちは。AS(学術情報ソリューション)の入江です。
今回はデジタルアーカイブシステムADEACで3~4月にかけて新たに公開されたデジタルアーカイブをご紹介します。
◇『富田林市/文化財デジタルアーカイブ』(3月25日新規公開)
大阪府 富田林市の文化財を、画像・紹介動画・出土遺物など様々な切り口から学べるアーカイブです。
見どころは何といっても国重要文化財に指定された旧杉山家住宅の3Dパノラマビューアです。17世紀半ばに建設された最古級の町屋建築の内部を360度自由に見回しながら探索できます。
重要文化財に指定されてから行われた半解体修理工事の記録映像などもあわせてご覧いただけます。
◇『福岡県立図書館/デジタルライブラリ』(4月6日新規公開)
福岡県立図書館が収集した福岡県に関する図書・雑誌・新聞・行政資料・古記録類・視聴覚資料などの一部を閲覧・利用しやすい形で公開しています。
一部の資料を除いてCCBY4.0というライセンスが適用されていて、出典を明示すれば自由に利活用できます。近世・近代の福岡を描いた絵図・地図・絵葉書などの貴重な郷土資料を、ダウンロードすることができます。
珍しいところでは、江戸時代の日本を訪れたドイツの医師・博物学者シーボルトが帰国後に出版した日本の動物誌・植物誌等の貴重な図版を和名・科名・学名などから検索・閲覧できます。
地図や時代から資料を探したり、ランダムにピックアップされた資料からまだ見ぬ資料に出会ったりできるアーカイブです。
◇『宇部市教育委員会/宇部市デジタルミュージアム』(4月6日新規公開)
宇部市は今年令和3(2021)年に市制施行100周年の節目を迎えます。宇部市デジタルミュージアムは市誕生100年の企画の一つとして構築され、デジタルならではの見せ方で宇部市の歴史を紹介しています。
たとえば、宇部市の絵巻物語というページでは、宇部市に伝わる絵巻資料2点を紹介しています。絵巻は紙をつなげて何メートルもある長大な資料になっていく性質上、普段は描かれている内容を一度に見ることがなかなか出来ません。しかし、デジタルミュージアムでは、全体を鑑賞するのも細部を拡大するのも自由自在です。
絵巻に描かれた箇所の現在の様子の写真を並べて見るなどの仕掛けもありますので、ぜひ試してみてください。
◇『郡上市歴史資料館/デジタルアーカイブ』(4月23日新規公開)
岐阜県の郡上市歴史資料館がデジタル化した郷土資料・館報や、過去のこの地域を記録した写真・絵葉書を公開しています。
豊かな自然に囲まれ、白山信仰、古今伝授、宝暦騒動などの特色ある歴史や、郡上踊をはじめとする多様な民俗芸能が古くから伝えられてきた郡上市の歴史を感じられるデジタルアーカイブです。
◇『皇學館大学/デジタルアーカイブ』(4月30日新規公開)
皇學館大学が所蔵する皇室文化・神道・国学・文学・語学・歴史学・館史(大学史)などの文献資料の公開・保存を目的として構築されています。
現在は、山城淀藩士福富家に伝来した資料群である「福富家文書」と幕末の国学者・鈴木重胤に関する資料群を公開しています。
その中でも大友宗麟書状・豊臣秀吉朱印状・徳川家康御内書など一部の古文書資料は画像と翻刻を重ねて表示できるようにしています。
今後も続々と資料が追加されていくのでお楽しみに!
今回紹介した5機関ではいずれも「デジタルならでは」の見せ方をしようと工夫しています。
ADEACで資料を公開している他機関も様々な模索をしていて、年々新しい見せ方が生まれていきます。
その中でも代表的なものを公開方法の例というページで公開していますので、興味がある方は良ければそちらもご覧ください!