12月の雑記のテーマは「今年買ってよかったもの(リターンズ)」。2019年に続いて2回目となります。
とつぜん香りがほしくなりました。
香水ほど強くなくていいけど、オードトワレとかそういうものが。ここ10年くらい全くつけていなかったけれど、なんだか急にほしい気持ちになったのです。
マスク生活で香りや匂いを感じにくくなったからかもしれません。パン屋に一歩入った時の香ばしさ、果物売り場のほのかに甘いにおい、揚げ物のそそる匂い。そういうものがくれる幸福感からすっかり遠のいた気がします。マスク越しでもパンの香りはするけれど、なんだか物足りないのです。いい匂いに全身を包まれるような感じには程遠い。
それで、自分につけたらどうだろうかと思ったのか、自分でもよくわかりません。買ってみようと思い立ってみると、実は香水の店が増えていたのでした。デパートや商業施設に、いろんなメーカーの香水をあつめた店がいくつもありました。
以前は、化粧品メーカーのお姉さんにシュっと吹き付けられると、もうあれこれ比べることは不可能でしたが、最近のトライのしかたはそうではありません。小さなお皿に小さなグラスのようなものが伏せてあるのです。グラスを手に取ると、内側に香りがついていて、それをかぎます。これなら自分に香りがついてしまうことがなく、落ち着いて比べられます。数十種も並んでいるなかで時間をかけてあれこれ嗅いでみて、ついにコレかも...と絞れてきたところで、試供品をシュっとしてもらいました。
選んだのは最初に甘いオレンジが立ち、時間がたつと焼き菓子のような感じにおちつくもの。ちょっとスパイス感もあり。食べ物でしか表現できないのですが、もともとパン屋さんの香りが恋しかったのだからよしとします。
買ったものの、翌日に「ちがう...」という気分になったらどうしようかと心配でしたが、気に入って、毎日つけています。ひと吹きでお菓子の家に行ける魔法のよう。日々がちょっと愉快になりました。