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「責任表示」って何だ~MARC MANIAX 目録2022⑥~

MARC MANIAX 目録2022の第6回は、「責任表示」です。
おそらく図書館関係者でなければ出会わないであろうこの言葉。日本目録規則の昔の版(新版予備版)までは「著者表示」でした。
日本目録規則1987年版からは図書以外の資料も対象とされていますので、著者でも歌手でも映画監督でも、「その作品の創造にかかわった人や団体」を広く表すために考えられた用語です。

責任表示は、所定の情報源に表示されている個人名・団体名を採用するのが基本です。奥付の前ページや目次ページなど本の中身からは基本的には採用しません。情報源を確認して、「宮部みゆき著」というように、名前のあとに役割を示す語をつけて記録すればひとまずOKです。

さらに、もうすこし詳しくルールを紹介していきましょう。
日本目録規則2018年版の、TRC MARCへの適用をざっとご説明します。

★役割を示す語句
著、編、監修など、どのような働きをしたかを表す言葉を、「役割を示す語句」または「著述区分」と呼びます。同じ人の役割が表紙には「絵」とあるけれど奥付では「画」というように、情報源によって表現が違う場合は優先順位にしたがって採用します。

「著者」「編者」の"者"は省略して「著」「編」とします。「翻訳」は「訳」に統一しています。
その他の「共著」「現代語訳」「日本語版監修」などの表現はそのまま記録します。

角川文庫の小説がお手元にあったら見てみてください。著者の名前だけが表示されて「著」の文字がどこにもないことがあります。この場合は適切な語を〔 〕で括って補い 赤川次郎〔著〕 といった形にします。〔 〕という記号を使用して「図書にないものを補記した」という意味を表します。

★情報源によって表示が違う場合
同じ著者でも情報源によって形が違うことがあります。
TRC MARCでは、基本的に個人名の場合は情報源の優先順位にしたがって採用します。
しかし例えば著者名が表紙は原綴、奥付が日本語(カタカナ等)だった場合、本文の言語に合わせた形を採用するなど、いくつかの例外規定を設けています。
団体名の場合は、より詳しく表現されている形を採用しています。
 
アルファベット(原綴)と日本語の場合、本文が日本語なら日本語の形が優先
John McMurry (タイトル・ページ、背、表紙) 
ジョン・マクマリー (奥付)            
→ジョン・マクマリー

個人名の場合は、情報源の優先順位による
かこさとし (タイトル・ページ)  
加古里子 (奥付、背、表紙)          
→かこさとし

団体名の場合は、詳しく書かれている形
日本たばこ産業株式会社 (タイトル・ページ、背、表紙)
日本たばこ産業株式会社広報部 (奥付)  
→日本たばこ産業株式会社広報部 

ごく一般的な本でしたら、だいたいこれで大丈夫かな...と思います。次回は応用編をお送りします。

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