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美術作品を読み解く

6月の雑記のテーマは「好きな辞典・図鑑」です。
お気に入りの辞典や図鑑を紹介します。

今の私のお気に入りは、こちら。

西洋美術解読事典 新装版
 ジェイムズ・ホール(著) 高階 秀爾(監修)
 河出書房新社(2004.5)


西洋美術の作品名ではなく「美術の主題」「美術作品で語られる物語」「描かれる人物」などが取り上げられています。
主にキリスト教の旧約・新約聖書、聖人伝説、そして、古代ギリシア・ローマの神々や英雄、道徳的寓意を示す人物、擬人像などの項目が、日本語の五十音順で配列されているのです。

ためしに「書物」という項目を見てみると、「宗教美術」「世俗美術」の2つに区分されており、「宗教美術」には「受胎告知の際、聖母は読書をしており」と記されています。
受胎告知って多くの美術作品があるけれど読書してたっけ? 本当に描かれているのか確かめてみたくなります。
「世俗美術」も見てみましょう。こちらは「書物は諸美徳の擬人像の持物として広く描かれている」とあり、自由七学芸の〈修辞学〉や〈文法〉の擬人像も書物を持つ姿で描かれるようです。

「自由七学芸」って何だろう? 「自由七学芸」の項目をひき、ふむふむと読んでいくうちに、その隣に書かれた「十二カ月」という項目が気になりだす始末。

「十二カ月」では〈一月〉から〈十二月〉の黄道十二宮と月々の労働、代表的なモティーフが記載されています。
ここでの黄道十二宮は、一月が水瓶座、十二月が山羊座となっているのも興味深い。そういえば現代と比べると時期が少しずれていたんだっけ...と考えているうちに、あれ? 何を調べてた? そうそう「書物」だよ、となってしまうのがこの本の恐るべきところ。

巻頭カラーページには、絵画写真図版とともに利用法が書かれているので参考になります。と書きつつも、私は解読の為に調べるというより、芋づる式に読むことを楽しんでいるのでした。残念な(あるいは贅沢な)使い方かもしれませんね。

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