アフガニスタンの蝶々
本日は「週刊新刊全点案内」2320号の発行日です。
掲載件数は810件でした。
*こんな本がありました*
蝶と人と 美しかったアフガニスタン
尾本惠市(著)
朝日新聞出版(2023.8)
アフガニスタンといえば、何を思い浮かべるでしょうか。
ニュースで耳にする言葉であったり、世界史や地理で学ぶ名称であったり...
あるいは中村哲さんのことを思い浮かべたり。
実は中村さんとの共通点も多い、著者・人類学者の尾本さん。
彼はアフガニスタンの山脈:ヒンドゥークシの蝶に魅せられたひとりであり、
本書いわく、かつてのアフガニスタンは雄大な山々に囲まれた、蝶が飛び交う自然ゆたかな地であったとのこと。
本をパラパラめくると、きれいな蝶々のカラーページがずらり!
ついカラーページを眺めるだけでも楽しくなってしまいますが、
本文には幻の高山蝶パルナシウス・アウトクラトールや新種の蝶に関するエピソードのほか、現地の方々と冗談を交わすシーンなどの温かみのある人間模様が描かれています。
アフガニスタンにこんな一面があったなんて!
知らなかった世界を垣間見ることができる、これだから読書は楽しいのよね、などと本の持つパワーをしみじみと感じつつ。
いままでは縁遠く気付くことの難しかった、アフガニスタンの魅力を知ることができる1冊です。