2月の雑記のテーマは「雑誌」です。
女性誌には年齢やファッションの嗜好に応じてすみわけがあるものですが、「同じ雑誌読んでるんだ!」ということで仲間意識が湧いたりしませんか。大人になって知り合った方と、たまたま雑誌の話になり、ああ、同じの読んでたのだな、ああいうおしゃれが好きなんだなとわかって、すごくうれしくなったことがあります。
『Vingtaine(ヴァンテーヌ)』というその雑誌は、流行を追わず、モテを狙わず、自分に似合うスタイルを考えるという姿勢でした。1989年バブル末期の創刊でしたけれど、若者までが分不相応なブランド品を買いそろえるような流れに、ちょっと逆らっていたようでした。
そのコーディネートの洗練されていたこと。誌上で紹介されていた「サンドベージュと赤」「チャコールグレーとアッシュグレーとエクリュ」の服の取り合わせ、「淡いグリーンとパープルとブラウン」のチェックなど、いまでも思い出します。ときどきJuriさんの描く『週刊新刊全点案内』の表紙の色合いに『Vingtaine』の色合わせを見出して、うっとり思い出すことがあります。
大手化粧品会社に勤め、個性的な着物の装いが見事なMさんも『Vingtaine』を愛読していたと聞いた時、カッコよすぎで近寄りがたかった彼女との距離が、私のなかで縮まりました。20代だったあの頃、自分に似合う装いを考えて試行錯誤をしていたあの時代、同じ青春を過ごしていたのだなーと、ちょっと同級生気分になったのです。Mさんとおしゃれ心を伝えあったのは、人に会えなかったコロナ禍中でひときわ華やいだ思い出です。