トウモロコシの香り
4月の雑記テーマは「わたしの新人時代」その3です。
どこの会社でも、誰でも、配属先によって新社会人生活が違ってくるのは言うまでもありません。データ部であってもそれは同様。各チーム異なる形でTRC MARCにかかわっているので、どのチームに配属されるかで、新人時代はもちろん、その後の仕事の仕方が変わってくる感があります。
私が新卒で配属されたのは「図書館蔵書」でした。
文字通り、図書館から蔵書をお預かりして、目録を作成してお返しする部署です。
目録を作成する業務の大筋や、それに使うシステムは新刊でも蔵書でも変わりません。
しかし、新刊になくて蔵書にあるもの...。それは箱。私の新人時代の思い出は、箱に始まり箱に終わると言っても過言ではありません。
図書館の蔵書は箱に入った状態で図書館から送られてきて、MARC作成後また同じ箱に詰めて返送します。
まず箱を開ける時。
図書館で詰めて送られてくるので、箱の大きさや種類はまちまちです。図書輸送に特化した頑丈なケースもあれば、ミカンやリンゴなど特産品の箱、ドラッグストアで見るような箱まであります。更にそこに多様な形態の本が詰まっています。1箱に2,3冊百科事典のような大きな本がドンと詰まっていることもありますし、何の変哲もない普通の大きさの箱に薄い冊子が200冊以上入っていたことも...。やわな段ボール箱が本の重さに耐えられず持った瞬間に底が抜けそうになった時は大慌てしたものです。
箱を開けたら数を数えてヒットチェック(TRC MARCの累積にその図書がないか確認する作業)。累積に該当する図書のMARCが存在した分(ヒット分)は箱に戻し、存在しなかった分(未ヒット分)だけを棚やブックトラックに出してMARC作成作業をします。
そして箱に詰める時。
図書館から送られてきた箱に、本が傷つかないように緩衝材を入れつつ返却する本を詰めてお返しします。この緩衝材がなぜかトウモロコシっぽい香りがしてちょっと好きでした(誰にも同意してもらえませんでしたが)が、箱詰め作業は大の苦手。
送られてくるときにギュウギュウに詰まってきた本は、頭を使わないと同じ箱には詰まりませんし、輸送中に傷つかないようにと詰め物を詰めると嵩が増えるので箱が閉まらないこともしばしば。だからといって箱の中にスペースがあまりすぎると、どんなに緩衝材を詰めても本が中で動いてしまって具合が悪いのです。しかも運ぶ時に重さがかたよって持ちづらい。時々箱から溢れる本を前に途方にくれたものでした。
そのうち目録の作業にも慣れて、箱詰めをすることもなくなりましたが、トウモロコシを茹でたり、コーンスープを飲むと、新人の頃のことを思い出します。