ひとり映画の思い出
5月の雑記テーマは「映画について」。ゴールデンウィークからの連想です。
ひとり映画の経験があります。
一人で見に行った、ではなく(それはいつものことなので。)劇場に自分一人しかいなかった、です。
公開からかなり日が経って、もうレイトショーでしかやっていない、というような時期のこと。
チケットを購入する時点では「わーい選び放題だー」と呑気に笑っていたのですが、
本編前の予告編が始まっても他の人の姿が一向に見えず...スクリーンの向こう側に映画泥棒さんが現れる頃になっても、スクリーンのこちら側にはとうとう誰も現れませんでした。
始まる本編。
せっかくなら素直に「ラッキー!贅沢!」と思って存分に楽しめばいいものを。
予期せぬ事態に直面し"劇場に自分一人映画"初心者の脳裏に浮かんできたのは、
え...これはもしや...私が今日来なかったら、今映写室にいるスタッフは今頃もう帰れていたのでは?いや、帰れはしないとしてもここの掃除とかできたのでは...。そもそも上映しなければ、その分の電力を使うこともなかったのでは...?うわー、なんかごめんなさい!
という謎の罪悪感。そして、
今、立ち上がって歌ったり踊ったりしても誰にも迷惑かけないよな?やるか?
という謎の"せっかくなら何かしたい"欲。(仮に許されるとしても自分は決してそんなことをしないということも、考えている時点でわかっています。)
自分しかいないという状況が特異すぎてあれこれ無駄な思考を巡らせてしまい映画鑑賞どころではありませんでした。
(映写室に実際に人がいたのかはわかりません。無人だったかもしれませんね。)
結局、私は大変行儀よく鑑賞を終え、私がいなければ扉を開ける作業すらしなくてよかったかもしれないスタッフに見送られながら他に誰もいない劇場を後にしました。
記憶に刻まれたのは、本編が始まった瞬間「あ、しまったもう少し後ろの席にすればよかった」と思った際、他に人がいないのだから移動しても99%大丈夫だろうと頭でわかっていながらも、結局購入した席から動けなかった自分への失望となんともいえない敗北感です。
映画の内容ですか...?全然覚えていません。