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2024年6月14日 アーカイブ

2024年6月14日

人名典拠ファイルのおさらい~典拠のはなし~

典拠研修中です。
そろそろ図書典拠の習熟を目指す時期に入ったそうです。
中身は未だヒヨコなのですが...

そんな訳でニワトリを目指すべく
本日は人名典拠ファイルの役割についてかんたんに復習したいと思います。

役割その1 同じ人をひとつにまとめる

たとえば、角野栄子の絵本が刊行されたとします。
絵本なので、著者の表示が「かどのえいこ」とひらがなで書かれていました。
こういうとき、どうするでしょうか。

答えはこちら
優先名称(統一形):角野/栄子     カドノ,エイコ
記述形:      かどの/えいこ   カドノ,エイコ
   

同じ人が違う書かれ方をしているときは、
図書に書かれた形を「記述形」として優先名称(統一形)のもとにおさめます。
これにより、図書にどのような形で書かれていてもひとつのファイルにまとめられ、まとめて検索することが可能になります。


役割その2 異なる人の区別をつける

こちらは、いわゆる同姓同名の別人についてです。
TOOLiのMARC検索で、典拠ファイルを使わずに
「著者名:小川洋子」で検索すると、
小説家の小川洋子さん、映画プロデューサーの小川洋子さん
ほか同姓同名の小川洋子さんの著書がまぜこぜにでてきます。
ですが典拠ファイルを使いますと

1100111-0000 小川/洋子 オガワ,ヨウコ ←小説家の人
1100120-0000 小川/洋子 オガワ,ヨウコ ←映画プロデューサーの人
...
(典拠IDは実例ではありません)

というように、それぞれの識別番号(典拠ID)、漢字形、カタカナ形、
で管理したファイルが検索できます。
このファイルごとに著書がリンクされているので、
小説家の人なら小説家の人の著書だけ、
映画プロデューサーの人ならその人だけの著書を探すことができます。
こういったしくみの典拠ファイルを維持するには、
同じ人、異なる人を識別するための情報、
たとえば専門分野などがとても大切なのがお分かりいただけると思います。


最初に典拠ファイルを作るときに、図書に何も情報がない、
なんてこともままあります。
その場合識別に使える情報は空白状態でファイルを作るのですが、
その後に出された本には著者紹介があり、そこに情報が載っていることもあります。
するとわかった情報をファイルに追加するメンテナンスをおこないます。
この作業を典拠班では「情報追加」とよんでいます。
不明だった専門分野などの情報や、
芥川賞・直木賞とノーベル賞の受賞情報も追加しています。

「情報追加」は、典拠ファイルをきちんと管理するためにも欠かせない作業なのです。

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