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2024年10月11日

ファミリーネーム教えてください ~典拠のはなし~

ようやく秋らしく過ごしやすい気候になってきました。
夏の間積んでいた、文庫の「百年の孤独」をそろそろ読もうかなと思いたちましたが、まだ手をつけられていません。

この著名な作家のガルシア・マルケス、典拠のての字も知らない頃は、大変恥ずかしながらガルシアが名でマルケスが姓なのかと思っていました(というよりも、どれが姓でどれが名かあまり考えて生きてこなかった)。いまではオリンピックなどを見ていると姓名の構成が気になるように...。

ガルシア・マルケスの出身地であるコロンビアはスペイン語圏。
スペイン語圏の人名は一般的に「名」+「1つ目の姓」+「2つ目の姓」で構成されます。
「1つ目の姓」は父方の姓、「2つ目の姓」は母方の姓で、連結姓とよばれる2つの姓から成ります。
また、「de」などの前置語が間に記されることも。
ガブリエル・ガルシア・マルケスは、
「本人の名前:ガブリエル」+「父方の姓:ガルシア」+「母方の姓:マルケス」となります。
スペイン語圏の人の本名はとても長いことが多く、愛称で呼ばれることもしばしばです。
ガルシア・マルケスは、本名が「García Márquez,Gabriel José」、愛称はガボ(Gabo)ですね。
父方の姓、母方の姓と代々ルーツを脈々と受け継ぐので、「百年の孤独」の作中でも同名の人物が何世代にもわたって登場します。巻頭に家系図がついていますが、読解が大変です。

欧米圏を離れ、さらにあまりなじみのない国の人となると、姓名の構成はなかなか一見してわかるものではなく、参考資料などを調査し判断します。
たとえば、「世界ではじめての女性大統領のはなし」という図書に登場したヴィグディス・フィンボガドッティルさん。
世界初の女性大統領、ヴィグディス・フィンボガドッティルはアイスランドの出身。
では「ヴィグディス」が名で、姓が「フィンボガドッティル」なのでしょうか。
じつはアイスランドは姓をもたない国です。
「ヴィグディス」がファーストネームで、「フィンボガドッティル」は「父(母)親の名+dottir(娘)」という構成になります。
個人名典拠ファイルは「Vigdis Finnbogadóttir」と倒置をせずにそのままの語順表記で作成をしています。
西洋人の個人名典拠ファイルは原則「姓,名」の形で作成しますが、姓をもたない国の場合は「姓,名」の形にはなりません。

調査をしていると束の間世界各国を巡っているような気分になります。

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