「わからない」を考える
本日は「週刊新刊全点案内」2383号の発行日です。
掲載件数は1071件でした。
*こんな本がありました*
わからないので面白い
養老孟司(著) 鵜飼哲夫(編)
中央公論新社(2024.11)
〈たかだか千五百グラムの脳味噌が、そうだと思っているだけ〉。
「ああすれば、こうなる」、頭で考えて実際にそうなることは、意外と少ないかもしれません。大丈夫だと思っていたのになぜこんなことに...とたびたび天を仰ぎつつ、日々自分ではない相手と向き合いながら生活する私たち。相手どころか自分とは何ぞやと鏡をぼんやりと見つめることもしばしば。
本書は「唯脳論」の提唱者として知られる著者が、時評をまじえ「わからない」の数々について語る一冊。身体、学び、個性、社会。あらゆる物事について知っている気でいても、その本質を理解する一般の人はほとんどいない。だからこそ考えることは面白いー。わかりやすく伝えよう、オブラートに包んで柔らかな表現を選ぼうという配慮も必要なし、そういった外側の自分と内側の自分との対話が、大人には必要なのかもしれません。