園芸
今月の雑記のテーマは「わたしの推し作家」です。
わたしの推し作家はカレル・チャペック。
特に「園芸家12カ月」が好きです。
「1月の園芸家は〜」「2月の園芸家は〜」というふうに12カ月を綴っていくものですが、これは園芸にはまってしまった人の生態を書いたもの。
暴れまわったあげく決して期待通りのところからは水を出さない「陰険な」ホースと格闘し、
最高級の芝生の種を植えたのに生えるのは雑草ばかりで「いっそのこと雑草の種をまくべきかもしれぬ」と諦念の観にかられ、
人間の脚が昆虫のようだったらどれほど便利に花を踏まずに作業できることかと嘆きます。
それでもやっぱり、考えるのは庭のことばかり。
冬には次の春に買う苗を選ぶためにカタログを読みあさり、
春には新しい苗を植えるスペースがわずかでも残っていないかと庭中を探しまわって、
ちょうどいいだけの量の雨と、暑すぎず寒すぎない気温とを授けてくださいますようにと神さまにお祈りします。
そうそう、好きなものができると、こうなるのよね。
国や時代が違っても、のめりこんでしまう気持ちは同じ。
うまくいってもいかなくても、好きなものは好き。夢中になれることがあるだけで幸せ。
読んでいて楽しくなる作品です。