立ち読みの魔力
昨日は「週刊新刊全点案内」2404号の発行日でした。
掲載件数は1099件でした。
*こんな本がありました*
思えば物心ついたときから、「漫画が立ち読みできる本屋はどこか」「どうすれば立ち読みできるか」ということの探究に、心血を注いできたと言っても過言ではありません。
実家から一番近くにあった本屋の漫画が、ある日突然すべてシュリンクに包まれたときの衝撃は今だに鮮明です。その日以来、もっぱらシュリンクのかかっていない古本屋が立ち読みのターゲットとなったのですが、古本なんぞ買いそうにない小学生が店内に居座っていたら、それは邪魔に決まっています。「本当にはたきで追い払われることもあるんだな」と学習したのもその頃です。
最近はさすがにそこまで漫画の立ち読みにこだわることもなくなりましたが、疲れがたまってくると、本屋にいってぶらぶらいろんな本を物色するのが、何よりのストレス解消になっています。
これほど立ち読みに執着しているのは、世の中で私くらいなものかと思っていたのですが、どうやら歴史的に見ても、日本人にとって立ち読みという文化は非常に重要なようです。
「立ち読みの歴史」
こちらの本では、立ち読みがどのように日本の大衆に根付いていったのか、書店の歴史や読書習慣の進化などとともに詳細に追っています。立ち読みというなかなかニッチなテーマを深く掘り下げていて、非常に興味深いです。
本書の中でも触れられていますが、最近ではネット書店で簡単に試し読みができるようになっています。しかし、それは立ち読みとは似て非なるもの。たくさんの本が並んでいる本屋で、「これ面白そうだな」と何気なく手にとってパラパラめくる、その醍醐味はネット書店では決して味わえません。
町の本屋が次々と消えていき、冒頭に書いた近所の本屋もなくなってずいぶん経ちますが、立ち読みができるということがリアル書店の強みでもあると思うので、これからもぜひ存続していってほしいものです。