~ MARC概論 第5回 ~
「TRC MARCの特長」の後半です。あと2つ。
3.整合性
TRCデータ部が今までに作ったMARCは2,651,053件(2006年末現在)。
これだけの大量の情報から正しい検索結果を導き出すためには、ある一定のルールに則った情報がきれいに整理されていることが不可欠です。
例えば…
児童書なのか大人向けなのか迷う小説とか。
本のあちこちで著者の表示がJ.P.サルトル/ジャン・P.サルトル/サルトルとバラバラで、いったいどう呼んでほしいのよ…とか。
Aさんは自伝だと主張するこの本、私はエッセイだと思うんだけど…とか。
(以下、いくらでも続く…なのでこの辺でストップ)
このように、個人の感覚・意見や時代の流れによる変化に左右されてしまうと、たとえ1冊ごとについては正しくても、全体としてみた場合には統一性がなく、思うような検索結果が出ない=整合性に欠けるMARCになってしまいます。
これを避けるために、TRCデータ部では準拠すべきルールをまず決めています。
・日本目録規則<NCR> 1987年版改訂3版
・日本十進分類法<NDC> 新訂9版および新訂8版
・基本件名標目表<BSH> 第4版
図書館学を勉強された方には、きっとお馴染みの面々ですね。
さらにこれに加えて、TRC独自の内規を定めたり、シリーズや出版者のデータベースを作ってMARCどうしの関連性をわかりやすくしたりして、整合性を高める工夫をしています。
4.内容の充実
TRC MARCには、日本目録規則で定められているよりもかなり多くの情報が盛り込まれています。それは、図書館の「あったらいいな」に応えたさまざまな項目を追加しているからです。
例えば…
内容紹介文、受賞情報、ジャンル、新聞の書評欄掲載情報など、図書館が選書をしたり、レファレンスに答えたりするのに便利なさまざまな情報を取り入れています。
1冊の本の魅力を、いかに余すところなくわかりやすく伝えるか…
多様な検索に対応できるように、いかに多彩な切り口を考えるか…
図書館の利用者にとって使い勝手のよいMARCを目指して、TRC MARCはこれからも進化してゆきます。
(おお、最後は壮大にきまった…)