~ MARC概論 第4回 ~
多くの人が、近所の図書館で知らぬ間にお付き合いしているMARCですが、日本国内にはいくつかの種類があります(代表的なのは、国立国会図書館のJAPAN/MARC)。
その中で、私たちが作っているTRC MARCは、どんなMARCなのでしょう?
MARC概論最終章は「TRC MARCの特長」というお話。4本立ての、本日は前半です。
1.網羅性・スピード
「検索してもヒットしない!」
そんな時の主な原因は、その本のMARCがそもそもない か まだ完成していない のどちらかです。
この問題の解決策は極めてシンプル。発売されるすべての本のMARCを、本屋さんで一般の人が目にする発売日までに作る ということです。これがすなわち「網羅性とスピード」。
新刊書の場合、出版社は発売前に取次(本の問屋さん…かな)に商品見本を納入するのですが、TRCデータ部ではこれを使ってMARCを作ります。
取次に集まってくる「見本」を使うことで、新刊書を網羅的にカバーしつつ発売日までに完成させることが可能なのです。
2.正確さ
TRC MARCは、すべて実際の本から作られています。
というと、「そりゃそうでしょ?」と思われるかもしれませんが…。
例えば、出版社から「今度こんな本を出します」という事前情報を、FAXやメールでいただいたりすることがあります。でも、TRCデータ部では、このような形の情報からはMARC作成をしていません。
あくまでも、本の形になって私たちの手元に届いてからがスタート。実際に手にとって開き、自分たちの目で1つ1つの情報を確かめながら、1冊1冊MARCを作っていきます。
“図書館の利用者が実際に手に取るのと同じ本からMARCを作る”
この「図書現物主義」こそがMARCの正確さを担保しているのであり、TRCデータ部の誇りでもあるのです。