MARC MANIAX分類/件名 第2回は、前回に続いて『日本十進分類法(以下NDC)』のお話です。
本日のお題は「分類記号」。
またしてもなにやらお堅い用語が出てきてすみません。。ですがコレ、実は目録より一般の方にもなじみのあるものなのです。
分類についての特別な知識がなくても、図書館をよく利用する人であれば、 "2"の棚には歴史や地理の本があって、"9"の棚には文学があって...ということをご存知だと思います。
この数字こそは分類記号の1桁目(第1次区分:類と呼びます)、一番大きな分類のくくりです。
こちら↓が1桁目の一覧表(類目表と呼びます)。図書館の壁によく貼ってありますね。
この1桁だけでは書棚で本を探すには括りが大きすぎますが、MARCを検索するときには便利に使えるんです。
例えば、「今やっている"なんとかガリレオ"っていうドラマの原作本が読みたいな。でも正確なタイトルが思い出せない...」と思ったとき。
ためしに図書館の端末で「ガリレオ」をタイトル検索してみると、科学史の本やガリレオ・ガリレイの伝記などがたくさんヒットしてしまいます。ちなみにTRC MARCを検索してみると、164件ヒット...目当ての本を見つけるのは大変そうです。
そこで分類の登場。今の場合は読みたいのは小説ですから、タイトル「ガリレオ」に文学を表す分類「9」を掛け合わせて検索してみますと...結果は22件。グッと絞られて探しやすくなります。
...と、少々横道にそれました。話を戻しまして。
★分類記号のしくみ
分類記号には0~9までの数字が使用され、桁が下がるごとに主題(テーマ)が細分されていきます。一つの桁(区分)が常に10以内に細分されるので、十進分類法と呼ばれます。
どの桁においても基本的には主題を1~9に区分し、1~9に当てはまらないもの(1~9を包括するものなど)に0を割り当てます。
分類記号は3桁以上からなり、桁数をわかりやすくするために3桁目と4桁目の間に小数点(ポイント)を打った形で表示するのが決まりです。
3桁目(第3次区分)までの分類はこちらのサイトなどで見られますよ→■
4桁以上ある長い分類。たとえば6桁目まで展開する分類はこんなかんじ
→548.232 半導体記憶装置の分類 ICカード技術についての本などがここに分類されます。
...ううむ、なんだか意味のわからない数字の羅列...しかもこんなに膨大な表を覚えるなんてとても無理! と思われた方、お気持ちはよ~っくわかります(私もそう思ってました)。
けれども、ある程度慣れてくると、この暗号のような数字の意味がなんとなくわかるようになってくるのです(もちろん丸暗記的に覚えなくてはいけない部分もあるのですけれど...)。
なぜなら、分類表の数字にはある程度の規則性があるから。ひとつの数字が、複数の分野で共通した意味を持っているからです。
★あの暗号を解読せよ
多くの分類ビギナーが最初に覚える分類。それはたぶん913.6 (キュウイチサンテンロクと読みます)という日本近代小説の分類でしょう。
この数字を分解してみます。
1桁目(類)の"9"は"文学"、
2桁目の"1"は"日本語で書かれた"、
3桁目の"3"は"小説・物語"、
4桁目の"6"は"近代"を意味していて、
全体で"文学-日本語-小説-近代" すなわち "日本近代小説"を表します。
この中で2桁目の"1"は、9類以外の分野でも地理的な意味を表す場合には共通して"日本"を意味します(注:分野によって別の意味でも使用されます)。
3桁目の"3"は、9類の中では共通して"小説・物語"の意味で使用されます。
4桁目の"6"は、日本の歴史を表す分類では共通して"近代"を意味します。
いかがでしょうか。全部を暗記しなくても良いとなれば、少しは気が楽になりませんか?
というわけで、本日の締めは簡単なクイズを。
Q. 121.6は何を表す分類でしょうか?
*2桁目の"2"は東洋思想を表します
上の文章をヒントに、まずは分類表を見ないで考えてみてくださいね。
NDCのお話はさらに続きます。