本日は「週刊新刊全点案内」1569号の発行日です。
掲載件数は1841件です。
5月の表紙は、鯉のぼり。GW中に見た鯉のぼりは金銀で色づけられてピカピカしていました。最近の流行でしょうか?
さて今週の一冊はこちら。
なんともニッチな企画。ロシアのお風呂についての情報を求めている日本人が、いったいどれくらいいるのか…? いやいや読み物としても面白そうですよ。
「ロシアのお風呂は蒸し風呂。もうもうと蒸気をあげて白樺の枝葉の束で身体をたたいてリフレッシュ。外に風呂小屋がなければ家のかまど(ペチカ)のなかにもぐりこんで汗をかく!」
と帯にはあります。
この本を訳したのは、長年、ロシアの昔話や怪異譚を研究してきた方。昔話にたびたび登場するロシア式蒸し風呂「バーニャ」や「ペチカの上でごろごろ」などの記述が、どうも腑に落ちなかったとのこと。ソ連崩壊後に、ロシアの農村の伝統的な家屋「イズバー」での暮らしを体験し、本物のバーニャで蒸気浴をしたそうです。
当地の人にとって当たり前すぎる生活習慣ほど、外国人にとってはわかりづらく、情報がないものかもしれません。外国研究や翻訳の苦労というのは、こういうところにもあるのですね。
おそらくロシアの人にとっては、首までお湯につかる日本式の入浴は想像もつかないものでしょう。
ロシア各地のお風呂事情のほか、風呂小屋と賭博、風呂小屋と呪術、妖怪までもお風呂好き…というロシアの不思議な情景まで紹介されている一冊です。
(ここまで書いてから、家にあった岩波文庫の「ロシア民話集」を見てみました。「蒸し風呂」がでてくるお話がさっそく5つほど見つかりました。なるほど!)