母と目録
こんにちは。新刊目録の原田です。
今月、雑記を担当いたします。
先日の「父と目録 その後」を読んでいて、「そういえば、ウチでは母が…」と思った私です。
私の母はAV、しかも手書きのカードでした。
もう30年くらい前の話です。当時はまだCDは普及しておらず、レコードというもので音楽を聴いていたのですが、「見たことない」という方もいらっしゃるのでは?
今でも我が家には、父が買いためたレコードが400枚くらいあります。自分が買ったものはなんとなく覚えていても、他人が買ったものは全然わからないもの。そこで母は、レコードの目録を作ろうと思い立ったようなのです。
私と妹が学校に行っているあいだにコツコツと、文庫本より少し大きいサイズのカード(市販品)に手書きしていました。
レコードは主にクラシックだったので、作曲家名をアルファベット順に排列。
レコードはCDにくらべると録音時間が短く、収録曲も少ないので、1枚に1人の作曲家ですむことが多かったのでしょう。小品集のようなものは別にまとめていたようです。
この目録、時々役立っておりました。
ピアノの先生から新しい課題をもらったとき、「ハイドンのソナタ○番? ウチにお手本になるレコードあったかなー」と検索。Haydnのカードを1枚1枚見ていくと、「あった!ラッキー」というわけです。
すべてのレコードの目録化が終わった後、新しいものが増えるたびに目録をつくっていたはずなのですが、CDの普及とともにだんだん目録を作らなくなってしまったのはどうしてでしょう…?
仕事に出るようになって時間がなかったのか、収録曲が多くなってCD1枚にカード1枚というわけにいかないものが増えたせいか、CDの曲目・解説の文字が小さくてつらかったのか? 原因不明のままです。
今やレコード以上にたまったCDも目録化していれば便利だったのに、と思いますが、私も仕事でもないのに、AV目録を作る気力はありません。
「この曲、ウチにあった?」「あったはず、どこかなー」とゴソゴソ探す。ついでに「こんなのあったんだ!」「これも聴いてない」などと、宝探し大会。家庭ではそれもまたよし、ということで納得しましょ。