本日発行の『週刊新刊全点案内』は巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
1月は9件の件名を新設しました。
その中に「美食」があります。食べることを楽しむ生き方、こんな感じでしょうか。ガストロノミとかグルメとかグルマンとか、あちらの言葉ではいくつか表現があるようですが、検討の結果標目の形は国立国会図書館件名標目表からそのまま採用しました。ブリア・サヴァラン著の古典「美味礼讃」にも、早速この件名標目をつけました。昔から人間は、おいしいものを求めて旅をし冒険をし情熱を燃やしてきたからこそ、今日わたしたちはおいしいものを食べられるのだな、と思います。
その一方で、とくに子ども向けの本で最近、日本の食料自給率や食品廃棄物の問題を取り上げているのが目につきました。食べることすらままならない人たちが世界にはたくさんいるのに、世界中から食料を買い集めて贅沢三昧、まだじゅうぶん食べられるのに鮮度が落ちるとすぐゴミとして捨ててしまう…。こんな日本の恥ずかしい現実を紹介しているようです。本を読んだ子どもが何か考えてくれたらいいな、と思いました。
わたしも、ひもじい思いをしないでおいしいものを毎日食べられることに感謝の気持ちを忘れてはいけないな、と考えました。