暖かくなってきて八百屋さんの店先の春野菜もずいぶん充実してきました。
冬の根菜もおいしいですが、すくすく伸びた茎や葉の鮮やかな緑色は、いかにも身体にいい影響がありそうで、見ても料理しても食べても楽しい。食いしん坊にはとても嬉しい季節です。
そんな野菜を見るとき、最近心がけていることがあります。それはその野菜の産地がなるたけ自分に近いこと「地産地消」。輸送コストのことも考えて、なるたけ近くでとれたものを選ぶように心がけてます。安い場合も多いですし。
食べ物はさておき、本のことで地産地消?といえば、郷土史がそれにあたります。
「〇〇市史」から「△△歴史散歩」「中世の□□」など、図書館蔵書では通年途切れることのない定番のジャンルです。各地の郷土史家や古老、場合によっては子どもが調査に参加しているものなどもあります。やはり普通の歴史の本とはまた違った、地域への思いいれ、密着感が魅力でしょう。
でも時々ちょっと物足りないと思うのは、みんな似たり寄ったりな装丁が多いこと。品格があるのはわかるのですが、「〇〇県史」などはほぼ紺色の布装です。そんな中でちょっと素敵なものを見つけました。
紺よりは若干淡い綾織のこの装丁、布地が何かわかりますか?
正解はデニムです。
岡山県の井原(いばら)市は、江戸時代から綿花の栽培が盛んだったことから、デニムの生産が盛んで「デニムの聖地」と呼ばれているそうですよ。昭和40年代の爆発的なジーンズブームには、一時年間1,500万本、国内のおよそ70%にもあたる生産量を誇っていたそうです。
こうして装丁に使われてみると、それほどカジュアルな雰囲気でもなく、紺色の市史たちに混じっても、なかなか典雅な印象でした。グッドチョイス!!