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静止画資料のデジタル化

こんにちは、特注データです。

今回は、初めてお引き受けした静止画の貴重な資料のデジタル化についてお話します。

昨年度、ある図書館から地域資料の1つである写真や絵はがき、錦絵、番付表などをお預かりして書誌データと画像データを作成しました。


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実際に資料をお預かりして見てみると、明治から現代までの各時代の町並みや建造物、災害、行事の記録など本当に貴重なものばかり。ですが、中には破れやしみのある資料もあります。

多くの利用者の方々のためにこのような貴重な資料を整理して公開することと同時に、現物保護の点からもデジタル化が急がれます。

最初は「このような資料があるのだが、どうしようか」というところから始まり、図書館の方、システム会社の方と何度も打ち合わせを重ねてデータの仕様を決めました。

例えば写真の書誌データについては、タイトルや撮影者、撮影年、大きさ、白黒かカラーか、そして「何が写っているか」などについて入力することになりました。「何が写っているか」については、場所や建物、交通機関などいくつかの観点から読み取るのですが、やはりこの作業が一番難しく時間がかかりました。

場所については、特定できるものについては「○町○丁目○番」まで、さらに当時と現在の地名が異なる場合はその両方を入力します。ですが、写真からだけではTRCで場所の判断ができないものも多く、図書館の方によるデータ校正の中で指示していただきました。

書誌データの作成にあたっては上に書いたような情報を分かる限り入力し、そのデータのチェックをTRCが4回、図書館の方が2回、と多くの目による確認作業を行って精度を高めました。

一方、画像データの取り込みについては印刷会社に依頼しました。資料の特性によってデジタルカメラで撮影したりスキャナーで読み込んだり、プロの手法は素人には未知の世界です。

作成された画像データのファイル名は書誌データのマーク番号になっています。それによって、書誌データと画像データがリンクして画面に同時に表示されることになります。

作業の開始から9ヵ月後、あれやこれやで完成したデータは約4,000件、何とか図書館のシステムに取込まれてホームページで見られるようになりました。

公開されたことで、今後例えばその地域に詳しい方から情報が寄せられてデータが付加される、という利用者参加型のデータベースの方向も考えられるかもしれませんね。

最後に、この図書館のデジタル化の事業は3年間計画で、今年度は2年目。今日も皆でスライド他さまざまな資料とにらめっこしています。

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