子どもをもつデータ部メンバーが子どものお気に入りを紹介する、3月木曜の雑記コーナー。2回目の今日は新刊目録・室塚が担当いたします。子どもはふたり、6歳と4歳の娘です。
我が家の読み聞かせタイムは夜、寝る前。部屋の電気を消して枕もとの電気スタンドを点けると、娘たちはいそいそと本棚から「今日の一冊」を取って布団に入ります。10時前なら長い本でも可、11時を過ぎるとすぐに読み終わる赤ちゃん絵本しか選べないことにしています。めったにないのですが、9時までに布団に入ったときのみ選べる、とっておきの一冊があります。
なぜ9時なのか、それはこの本の内容のせい。ページをめくると「かんかんかんかん」「しゅっしゅっしゅっ」「ぴいいいいいい」といった具合に擬音語しかないのです。片っ端から読んでいくと娘たちは大興奮なのですが、読み手の意識はだんだんと遠くなり、最後は本を顔の上に落として夢の中へ…。読むのは大変ですが、姉にとっても妹にとってもこの本は共通のお気に入りです。
年齢のせいなのか、性格のせいなのか、好みに差が出ることもあります。
長女のお気に入りの中で、私も気に入っているのがこれ。
「あなただけのちいさないえ」とは家族が住む家ではなく、食卓の下、木の上、掛け布団との隙間にできる空間といった自分ひとりになれる場所のこと。秘密の場所で、たったひとりで過した子どもの頃のわくわくした感じがよみがえります。娘にはちょっと難しいかなと思ったのですが一度読んだところ「この本、好き」と即、彼女のお気に入りになりました。
次女のお気に入りはこちら。
先にたまごから生まれたあひるの子と、そのちょっと後に生まれたひよこ。ひよこはあひるの子の真似ばかり。あひるの子が穴を掘ればひよこも掘り始め、あひるの子がちょうちょをつかまえればひよこもちょうちょをおいかける、というように。姉の後を追いかけてばかりいる次女とぴったり重なるので、「あひるのこ」を長女の名前に、「ひよこ」を次女の名前に変えて読むとたいそう喜びます。
最後にもう一冊。寝る前の読み聞かせはたいてい母の仕事…もとい特権なのですが、この本は父でないとだめなのです。
映画化もされましたね。父が読むと、文のまったくないかいじゅうおどりの場面でなぜかセリフが入ります。「うっほっほっ、うっほっほっ、ずんどこどん、ずんどこどん」。同じように母が読んでも、娘たちの反応はいまいち。父の口調、父の声ならではの本がもっと増えればいいなぁ。