こんにちは。分類/件名の高橋です。
先日こんな本が入荷しました。
経度の測定法の開発とイギリス近代史の関係について書かれた本です。この本に分類・件名を付与するにあたり、まずは主題を経度の測定法ととって、NDC(日本十進分類法)で経度の測定法を収める分類記号は…そうそう
448.4 地球座標.経緯度
と、ここまでは順調だったのですが。
念のため448.4の累積データを調べて…とMARCを検索してみたらビックリ。448.4に分類した本は過去に2件だけで、水沢町緯度観測所刊行の「緯度観測所75周年誌」のような一般には流通していない資料しかありません。
分類448.4は、『週刊新刊全点案内』に掲載する本としては初お目見えなのでした。小学校で習うようなことなのに、まるごと1冊経度の本!というのは案外ないのですね。この本の登場に合わせて、「緯度・経度」という件名も新設しました。
以前にも意外と使われていない分類があるという話題がありました。件名と違って、分類記号は途中でおいそれと追加変更することはできないものなので、該当する本が存在していなくても、学問体系上必要なものに対しては分類記号が割り振ってあります。これからどんなテーマの本が出てきても分類表のどこかに収められるように、いわば備えあれば憂いなしの精神というわけです。
とはいえ、少々備えすぎでは…という分類記号もありまして。
290 地理.地誌.紀行の下に、
299.9 地球以外の世界 という分類記号があります。
地球以外の世界って…。
この分類記号は、NDCの8版(1978年発行)から新しく追加されました。
7版(1961年発行)から8版へ改訂される間にアポロ計画の成功があり、きっともうすぐ宇宙旅行が現実に!という気分が高まっていたのでしょうか。
2010年現在、大富豪ならスペースシャトルに同乗できる時代になったとはいえ、まだまだふつうの旅行感覚で宇宙に行くことはできません。
したがって、299.9を付与した本はいまだ存在せず。
若田光一さんの宇宙滞在記は、やっぱり紀行というよりは宇宙開発(538.95)ですしね。
分類記号299.9。いつか付与できる日が来るのでしょうか。
コメント (2)
> 299.9 地球以外の世界
> 分類記号299.9。いつか付与できる日が来るのでしょうか。
「銀河ヒッチハイク・ガイド」の“実物”が出版された暁には(笑)
投稿者: DORO | 2010年5月21日 16:04
日時: 2010年5月21日 16:04
DOROさん、コメントありがとうございます。
>「銀河ヒッチハイク・ガイド」の“実物”が出版された暁には(笑)
電子ブックの環境も整ったし、あとは“実物”の出版を待つばかり!ですね(笑)
同僚が、「地球の歩き方」のホームページには2015年「地球の歩き方 火星」が載っているよと教えてくれました。
http://www.arukikata.co.jp/guidebook/history/
(こうなるともう「地球」じゃないですが。)
分類の準備はできてますよー。テグスネひいて待ってます。
投稿者: 分類/件名 高橋 | 2010年5月21日 16:58
日時: 2010年5月21日 16:58