本日発行の『週刊新刊全点案内』は巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
6月は17件の件名を新設しました。
件名を新設するタイミングはなかなか難しいものです。今月の新設件名の中にも「今ごろですか?」というお言葉を頂戴しそうな、遅ればせながら、のものや、世の中に新しく登場したものなどが入り混じっています。
今回はこの中から、最新の主題を表した件名「スマートグリッド」を紹介します。2009年末頃からスマートグリッドを扱ったものが現れ始めていたのですが、6月になって立て続けにこのテーマを扱った書籍が刊行されました。
合田 忠弘
林 泰弘
浅野 浩志
坂東 茂
今井 伸一
林 秀樹
木槻 純一
新井 正伸
山田 竜也
姉川 尚史
弥栄 邦俊
日本規格協会(2010.6)
秀和システム(2010.7)
「スマートsmart」=「賢い」「グリッドgrid」=「送電網」で、人工知能や通信機能などのIT技術を組み込んで、電力の需給を効率的に自動調整し最適化できる次世代の送電網のことです。
日本の送電網は通信システムで管理されており、すでにかなり「賢い」そうです。しかし、スマートグリッドは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを導入するのに欠かせないのだとか。こうした自然エネルギーは発電量が不安定なため、需給のバランスを調整する必要があり、この面での活用が期待されているのです。
送・配電技術は高いレベルにあるといわれているとはいえ、夏場のピーク時には電力不足の不安がささやかれることもある日本。地球環境のためにも、再生可能エネルギーの利用が促進され、スマートグリッドの技術が活躍するようになってほしいものです。もちろん、日頃の省エネにも努めなければいけませんが。