こんにちは、図書館蔵書 小松です。
「わたしの思い出の本」というお題なのですが、実は「思い出した本」。
先日、図書館蔵書にこの本が入荷しました。
アナグマの女の子フランシスと、その家族を題材にしたシリーズの一冊です。
「ジャムつきパンとフランシス」
ラッセル・ホーバン
リリアン・ホーバン
まつおか きょうこ
好学社
ここに出てくる、フランシスやクラスメイトのお弁当がなんとも美味しそう。
「ライむぎパンに クリームチーズ きゅうりと トマトの サンドイッチ」
「魔法瓶に入ったトマトのクリームスープ」
「しろパンに伊勢えびのサラダをはさんだサンドイッチ」
「セロリとにんじんと黒いオリーヴ」
にも関わらず、「ジャムつきパン」に執着しているフランシスは、お母さんの持たせてくれたランチを、クラスメイトの「ジャムつきパン」と交換してしまったりもするのですが、ずっとそればっかり食べているうちにだんだんつまらなくなってきます。
ページを追っているうちに、ふと気がつきました。
このアナグマの子知ってる!
子供のころに「おやすみなさいフランシス」に夢中だったことを思い出しました。
「おやすみなさいフランシス」 (世界傑作絵本シリーズ)
ラッセル・ホーバン
ガース・ウイリアムズ
まつおか きょうこ
福音館書店(1974)
こちらは、子供部屋でひとりベッドに入ったものの眼が冴えてしまって眠れないフランシスが、外の音や部屋の隅っこなどからこわい想像をして、居間のお父さんとお母さんのところに言いつけにいくもの。
当時、やっぱり布団に入ってから眠るまでをとっても長く感じていた私には、親近感の湧く絵本でした。
フランシスが居間のお父さんとお母さんのところに行くと、ふたりが大人だけでケーキを食べている(夜なのに!?)場面があり、とてもおいしそうに思ったおぼえがあります。当時から絵本の中の食べ物は気になりました。三つ子の魂百までとはこのことでしょう。
そんなに思い出深かった本の主人公、何で同じフランシスだとすぐに気づかなかったのかというと、それには理由が・・・。
まず、今回の絵本を見るまで、ずっとフランシスは男の子だと思い込んでいました。
「おやすみなさいフランシス」では、ずっとお寝巻きで男の子か女の子かはっきりわからないフランシス。
ところが「ジャムつきパンとフランシス」のフランシスは、お母さんに駄々をこねたり、クラスメイトとおしゃまに話したりと、なんとも女の子らしく、私の記憶の中のフランシスとかみ合わなかったのです。
「おやすみなさいフランシス」ではまだいなかった(?)フランシスの妹のグロリアが、「ジャムつきパンとフランシス」では半熟卵を食べられるようになっているところから推定して、フランシス自身も大きくなっておしゃまになったのかもしれません。
そして、私がフランシスに気づかなかった、たぶん一番の理由。
実は、この2冊絵作者が違うのです。
小さな頃に読んだものって、感覚で覚えているものなんでしょうね。