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怪奇小説という題名の怪奇小説-わたしの思い出の本

オンライン書店ビーケーワン:怪奇小説という題名の怪奇小説
私がこの小説を初めて読んだのは42年前である。雑誌連載時に読んだのだ。内容はタイトルと同じくらい奇妙だ。これぐらい技巧を凝らした作品もめずらしいと思う。さすが都筑道夫の40代の作品である。普通なら「Purple Stranger」(作中の盗作に使用する洋書のタイトル)とでもすればそれらしいのにこの凝ったタイトル(小松左京の「題未定」を連想してしまう)。怪奇小説といいながら推理小説やSF小説の要素もあるところは都筑道夫の守備範囲の広さの現れですね。伝奇小説という考えもできる。

ここからこの本の具体的な紹介に移ればいいのだが、実は思い出を語ろうとしているのはこの作品が掲載された雑誌の方である。
その雑誌は『話の特集』という。タイトルは聞いたことがある方も多いと思う。また編集者の矢崎泰久氏の名前を記憶されている方も。『話の特集』は1965年創刊で95年廃刊になったらしい。私が読んでいたのはおそらく68年から71年ぐらい。高校生だった。今も保存しているはずだが貸倉庫(コンテナ)を探していないので不確かだが。だから記憶違いの部分もあると思う。

どれほど『話の特集』という雑誌が凄いかというのは執筆者を見ればわかる。小説の連載では寺山修司の「繪本千一夜物語」(イラスト宇野亜喜良)、井上ひさしの「江戸紫繪巻源氏」(イラスト山下勇三)があった。奇しくも「怪奇小説」を含め三作品はすべてメタフィクションというか別の小説と関係がある。井上作品では「源氏物語」、「偐紫田舎源氏」と二重のパロディである。それにしても「伝奇小説」のイラスト怖かったなあ、今でもイメージが残っている。誰だったのだろう。
エッセイでは深沢七郎、永六輔、中山千夏、黒柳徹子、伊丹十三、小沢昭一、植草甚一、野坂昭如、殿山泰司、佐藤慶、しかしこうやってみると『話の特集』の執筆者は芸能関係者が多かった。八切止夫の「八切日本史」(イラスト柳原良平)も面白かった。
イラストでは和田誠、横尾忠則、久里洋二、長新太、池田満寿夫、写真では篠山紀信、立木義浩ほかとそうそうたるメンバーであった。

雑誌の特徴は反権威か。当時はサブカルチャーという言い方はなかったと思う。カウンターカルチャーの方が普通だった。『血と薔薇』『ユリイカ』『海』『人間として』『季刊辺境』もこの頃の創刊だった。70年代も中盤つまり安保後は『ビックリハウス』のようなサブカルチャーという方がふさわしい、つまり政治とは関わらない雑誌が増えてくる。雑誌は時代を写す。しかし残らない。それがいいことなのかどうか。電子書籍の時代だから全巻の復刻は容易だろうが著作権の処理はどうなるのだろう。

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