小学生の頃、毎年夏休みは田舎の祖母の家ですごしていました。
同居していた1才年上のいとこの後にくっついて
朝のラジオ体操、昼は近所の湖でカニ取り
おやつには祖母が用意してくれたキンキンに冷えたスイカを食べ、夜は花火。
両親がいないのをいいことにのびのびと過ごす、今思うと、とても贅沢な夏休みでした。
そのいとこの本棚に、野口英世の伝記がありました。
漫画と辞書くらいしかなかった本棚の中の、唯一の本だったので、めずらしく思って手に取ったのを覚えています。
夏の昼下がり、蝉の声をBGMに、ひんやりとした畳に寝そべって一気に読み終えました。
伝記本を読んだのは初めてで、世の中にはすごい人がいるものだと感動し、夏休み中に何度も読み返したものです。
今はもう祖母は亡くなり、いとことも会う機会が減ってしまいましたが
夏のころ、ふと懐かしく思い出す忘れられない1冊です。