こんにちは、典拠の木内です。
夏休みもあけて早一週間、実家でのんびり過ごした数日が遠い昔のようです。
さて、今回の典拠のはなしは「地名を慣用する人名」です。夏休みに田舎に帰省した折、このテーマにふさわしい地元のヒーローを再発見しました。
わたしの田舎は千葉県北東部、地名でいうと「千葉県香取郡東庄町笹川」。“笹川(ササガワ)”、この地名と、ブログタイトルに挙げた“利根の川風袂に入れて”の一節にピンときた方はかなりの演芸通です。笹川は、史実を元に作品化され講談や浪曲で一世を風靡した「天保水滸伝」の故郷です。
この作品の主人公の名前は「笹川繁蔵(ササガワ ノ シゲゾウ)」。“笹川”の繁蔵、つまり地名を名字のように慣用しています。このように地名と結びついた形の名前、思いつくだけでもけっこうあります。
佐倉惣五郎(サクラ,ソウゴロウ)
国定忠治(クニサダ,チュウジ)
清水次郎長(シミズ ノ ジロチョウ)
黒駒勝蔵(クロコマ ノ カツゾウ)
上記の例のように、地名と結びついた形で有名であり、それが姓と名のように慣用されている人名は、そのままの形で典拠ファイルを作成しています。
(注:地名をつけたそのままの形で典拠ファイルを作成しますが、姓名扱いするか否かは、地名と名前の間に“の”の読みがあるかどうかによります)
おぼろげな記憶ですが、学生時代に美術の先生が「レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)」の名の由来を「ヴィンチ村のレオナルド」とおっしゃっていたような?
地名が名字に慣用されたり、名字に転用されるなど、人の名前と土地の結びつきは深いものなのですね。