どんなに名前が変わっても~MARCや検索のはなし~
毎月月末にお届けしている「MARCや検索のはなし」。
今回は、本の改題に伴う関連付けのお話です。
改訂や文庫化のタイミングで本のタイトルが変更されるのはよくあること。
中には、出世魚のように次々に名前を変えてしまう本もいます。
しかし、どんなに名前が変わっても、ある一つの同じ作品だってわかった方がいいですよね?
...と言うより、わからないと困ります。
好きな作者の新作か!と思って読んでみたら、あれ?この内容読んだことある...騙された...なんてことになってしまいますもんね。
(ちなみに私はタイトルが変更されていない本でも時々これをやります...物忘れ、激しすぎ!)
そこで、以前より改題された本のMARCには前のタイトルを注記するということをしていましたが、この逆パターンの注記もメンテナンスで入れるということを、2012年のMARC改訂より始めました。
つまり、改題前のMARCに、その本がなんというタイトルに変更になったかの情報が入るようになったのです。
例えば、上村佑さんの小説「パパはロクデナシ」。最近文庫化されましたが、そのタイトルは「僕だけのヒーロー」でした。この場合、「僕だけのヒーロー」のMARCには
「パパはロクデナシ」(2009年刊)の改題,加筆修正
という注記が入りますが、2009年に作られた「パパはロクデナシ」のMARCにも
「僕だけのヒーロー」(宝島社文庫 2012年刊)に改題,加筆修正
という注記を入れるメンテナンスをします。
このメンテナンスにより、改題後のタイトルで検索をしたとき、改題前のMARCも検索結果としてヒットさせることができる!ということになったのです。
この話はTRC MARCニュース第29号のp7~8に載っていますので、そちらもご覧ください。