仕事始めから一週間。
今日は鏡開きですね。
さて、2013年最初の「典拠のはなし」は
今年の干支・巳年の「巳」にちなんだお話から...。
「似ている漢字に注意してね」
データ部に配属になったメンバーが 初めに先輩から指導されることのひとつです。
そのとき例に出されるのが 「巳」「已」「己」の3文字。
かくいう私もどこが違うのか、
よくよく目をこらさないと わかりませんでした。
データ部で使用している漢和辞典の一つ、
「新字源」(角川書店)によると
「巳」 よみ:シ
意味:1.み。ア:十二支の第六番目。動物ではへび。
イ:方位では南南東。(中略)2.さだまる。たいらげる。
「已」 よみ:イ
意味:1.もって。ゆえに。2.すでに。もはや。(後略)
「己」 よみ:キ,コ
意味:1.おのれ。2.つちのと。十干の第六位。
意味や読みかた、3文字とも全く違うものなのですね。
それを強調するかのように 「巳」の説明の最後には
「(参考) 已・己は別字」の一文が。
もしや、と思ってみてみると「已」「己」の説明の最後にも同様の一文が添えられていました。
漢和辞典といえば、典拠担当者は「大字源」(角川書店)もよく使います。こちらの辞典の特徴は、その漢字を人名として使用する際の一般的な読みが載っていること。どうしても調べがつかず、「おそらくこの名前はこう読むのではないか」と推定するときに参考にしています。
「大字源」には 人名の読み方として
「巳」 み
「已」 すえ
「己」 おと・つちのと・な
と、ありました。
ここでむくむくと湧いてきた疑問。
これほどよく似ている字3文字全部を、名前に使っている人はいないのかな。
典拠ファイルを検索してみると
さすがに3文字とも使っている方はいませんでしたが、2文字使っている方が...。
己巳郎(キシロウ)さん
己巳蔵(キシゾウ)さん
己巳子(キシコ)さん
己巳男(キミオ)さん
このなかで己巳子さんと己巳男さん、二人の生年は1929年。
同じ年です。
調べてみましたら、1929年の干支は「己巳」(つちのとみ)。
親御さんは お子さんの生まれ年を名前に刻みたかったのかもしれません。
平成の世になってもその思いは変わらないようですね。
日本経済新聞の記事によると
2012年に生まれた赤ちゃんの名前では
干支にちなんだ「龍」が入った名が人気だったとのことです。
今年 生まれてくる子どもたちが
将来「自分が生まれたのはこの年なんだよ!」と胸を張れるような
よい一年となりますように...。
コメント (2)
著者名典拠の統一IDと、個人件名典拠の統一IDは同じと考えてよいのでしょうか。
投稿者: 特命 | 2013年2月 1日 15:32
日時: 2013年2月 1日 15:32
特命さま、コメントありがとうございます。ご質問の件、同じIDと考えていただいて結構です。
人名の場合、MARC上に責任表示としてあらわれる場合と、件名としてあらわれる場合がありますが、個人名典拠ファイルとして作成いたします。件名典拠ファイルとして別途作成はしておりません。
投稿者: 典拠 菅沼 | 2013年2月 4日 15:38
日時: 2013年2月 4日 15:38