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文化財調査報告書のMARC 1(データ部ログ ダイジェスト 第3弾)図書館蔵書編 5

こんにちは、データぶー子です♪

昨日とはうってかわって、今日は暖かなお天気です。
テラスの桜のつぼみもあと少しで開きそうです。

さて、図書館蔵書の仕事場をうろうろしてみて、新刊書と一番ちがうなぁ~って思うのは、真っ白い表紙の本が多いこと。どうもその大部分は「文化財調査報告書」っていう種類の冊子らしいのね。

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~☆~☆~

文化財の調査報告書というとまわりくどいかもしれませんが、寺社仏閣・古民家などの修復報告書、仏像や石造物の調査報告書など、いろいろな種類の文化財の報告書が似通った形で刊行されています。中でもよく見られるのが、遺跡の発掘調査報告書。ここではこれを中心にお話ししていきたいと思います。

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(発掘調査報告書)

今日は、発掘調査報告書のタイトルについてです。


発掘調査報告書は、大体の場合「~市埋蔵文化財発掘調査報告書」などのタイトルやシリーズで、毎年刊行されていきます。

文化財調査は教育委員会の管轄なので、地方自治体の教育委員会、出先機関の文化財センターや博物館が刊行しているケースが多く、他にも埋蔵文化財専門の調査会社(専門の企業があること、私は図書館蔵書にきてはじめて知りました)や、埋蔵文化財の調査は土木工事や建築工事の前に主に行われるので、自治体の土木課や、建設会社、さらには大手スーパーなどの企業や、個人など施工主が発行者になっている場合もあります。

発掘調査報告書に限ったことではありませんが、こうして発行者がその都度変わるためか、タイトルやシリーズ名の表記が、微妙に違うことがしばしばです。

情報源からMARCの情報を採用する優先順位については、以前にお話ししましたが、こうして継続して刊行されている図書の場合、新しいMARCのタイトルやシリーズ名が既に作成されたMARCと違う形になってしまうと、検索の際に不都合が生じます。そこで既にあるMARCのタイトル、シリーズ名と同じものが情報源にあればそれを優先して採用しています。

(例)
標題紙 (財)八尾市文化財調査研究会報告
奥付  財団法人八尾市文化財調査研究会報告
背   (なし)
表紙  (財)八尾市文化財調査研究会報告

情報源の表示が上記のようであれば、通常「(財)八尾市文化財調査研究会報告」をタイトルとしますが、これまで、この全集は「財団法人八尾市文化財調査研究会報告」と表示されていて、45件のMARCを作成しているので、それに合わせて「財団法人八尾市文化財調査研究会報告」をタイトルとします。

ただし、それまでに同じタイトルで100件を越えるMARCを作成してきたとしても、情報源に「財団法人八尾市文化財調査研究会報告」という表記がなければ、それをタイトルにすることはできないので、新たなタイトルでMARCを作成します。

図書のつくりによって、タイトル(全集)にするべきか、シリーズにするべきか迷ってしまうようなものも、まずは既にあるTRC MARCを確認してMARCを作成します。

シリーズなのか全集なのか、「財団法人」と「(財)」、「~報告書」と「~報告」、「埋蔵文化財」と「文化財」・・・など、たいていほんの少しの違いなのですが、1字でも違うと検索にかかってこなくなってしまうのが、検索のつらいところ。検索した時に続きもの(あるいは固まり)の図書が一度に出てこないと不便なので、こうして、その都度人の手で、検索に便利なように情報を整えてMARCを作成しているのです。

更にいうと、実はタイトルの場合、採用されなかった情報源の記述を注記しているので、注記が検索の対象になっていれば、これも検索で拾うことができます。上記の例には次のような注記が入っています。

タイトルは奥付による.標題紙・表紙のタイトル:(財)八尾市文化財調査研究会報告

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