こんにちは、新刊目録の水谷です。
月末にお届けするMARCや検索の話。今回は責任表示の入力順序についてとりあげたいと思います。
著者、編者、監修者、訳者...図書にはさまざまな役割の人・団体が表示されていますね。
ものによって表示の順もばらばらなので、そのまま入れればいいというわけにはいきません。
そこで、図書に2以上の責任表示があった場合、次の①~⑤のルールに従い入力順を決定しています。
① その著作の成立過程からみて明らかに一定の順序があるものはその順序に従う
「一定の順序があるもの」とは、古典作品の校訂書や、翻訳書、ノベライズなど。この場合、もとの著作の著者を先に入力します。
源氏物語の訳本を例にとりましょう。與謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子...もはや訳者で選ぶ感がありますが、訳者がどんなに大きく表示されていても、データ上、責任表示は「紫式部著 與謝野晶子訳」のように原著者が先頭になります。
② 単一標目として選定する著者を先頭に
「単一標目として選定する著者」とは、たいへんざっくりいうと、「この本は誰が書いた本か」と考えた場合に該当する著者のことです。
個人著者が2人までなら1人目の著者が該当しますし、3人以上ですと標目としては著者ではなくタイトルを選定することになります。 →こちらの記事もご覧ください
たとえ監修者が高名な方で一番先に表示されていても、著者を標目として選定するのであれば、データ上は著者が先頭です。
③ 責任表示がすべて表示されている情報源の表示に従う
著者ではなくタイトルを標目として選定する図書の場合は、これ。最も情報が揃っている情報源に従って入力します。
④ 情報源の多寡に従う
こうなると若干困ったヒト(※本のことです)かも...。情報源によってばらつきがある場合はよくよく見比べて、多くの情報源に表示されているものを優先していきます。
ただし、⑤ 絵本(大人向け絵本も含みます)と漫画で描かれた図書については例外で、情報源の表示の順に入力しています。
あれこれ書かれている図書を前にすると、「じゅんばん、じゅんばん」と、すべり台の下でダンゴになった子供の交通整理をしている気分になるのでした。