1月の木曜日のテーマは「冬の花」。
テーマを聞いて思い浮かんだのは、黄色いミニバラ。そして、寒空の下色彩がひしめく空間でした。成人式の光景です。
私が髪のセットをお願いした美容院は、髪飾りに"生花"を使用、というのが一つのウリでした。
「どのようなものが入荷できるか当日にならないとわかりません。」とのこと。
そんなギャンブルな...。と内心思いつつ、そもそも髪飾りを自分で用意する気のないやる気ゼロの私、「よろしくお願いしまーす。」とあっさり打ち合わせを終えたのでした。
当日。着付けの前に髪のセットです。
振袖の色を問われ、赤と答えたところ、「今ちょっと赤系の花が無くて。ピンクか黄色か。」とのご回答。
一生に一度の成人式なのに...とちょっとがっかりしながら、代わりに黄色をお願いしました。
そこで登場するのが黄色いミニバラです。
何の気なしに黄色と言ったので、ミニバラが頭に飾られていくのを見ても、「へー、生花と言ってもちゃんと加工されている。ふにゃふにゃじゃないんだ。」と思うだけ。
ところが。その後、いざ振袖を着付けていただくと、ミニバラの黄色が伊達襟や帯あげの色と合っていて、これが何ともいい感じ。
...いや。というか、むしろ、赤い花より黄色の方が絶対お洒落ですよね?と思う仕上がり。
テンションは急上昇。美容院を出る頃には、気分はすっかり「本日の主役」。
その気になった私は、普段がに股で闊歩する地元の道を、しゃなりしゃなりと歩き、道行く方から「あら素敵ね。」というありがたいお言葉を頂戴し、ガッツポーズをしたのでした。
(わかっています。お振袖が、だということは。)
式典会場には当然のことながら、本日の主役たちがところ狭しと並んでいました。
各人のキャラクターが色濃く出た、振袖やスーツや私服の着こなし。
色彩に埋め尽くされた空間は、まるで、人々が好き勝手に植えた花壇のよう。
なにより輝く笑顔こそが、まさに、「冬の花」でした。
私の気分を盛り上げてくれた黄色いミニバラは、その後少しの間、家に飾られていた気がしますが、気がつけば無くなっていました。
あの日。もし、赤系の花があったら。もしくはピンクを選んでいたら。
そのあと過ごす成人の日はまた違ったものになっていたかもしれないなぁ...。
なんてことを今になって考えてみたのでした。
少し前の企画ですが。
TRC仕入部のおすすめ「若い人に贈る読書のすすめ 2015」