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少女とダイヤモンド

小学3年生のころ、ダイヤモンドは大変リーズナブルで手にしやすい宝石だと思っていました。
原因を作ったのはこの本。

きまぐれロボット

星新一(作)
理論社(1999.6)

言わずと知れたSFショートショートの巨匠、星新一の短編集です。


この中に、「九官鳥作戦」という作品が収録されています。


山奥で悪だくみをする男。沢山の九官鳥の足に小型爆弾と袋を付けて、
「ダイヤを入れないと爆弾を投げるぞ」
としゃべるように躾ける。そして町へ九官鳥たちを放つ。
この作戦を実行に移すと、足の袋にダイヤを詰めた九官鳥たちが戻って来るわ来るわ。
大喜びする男。しかし...


というお話。


この短編を読んで、
現代ではダイヤモンドは高級な宝石ではないと「知り」、
ならば家にあるダイヤのようなビーズは全て本物なのだ...つまり、ビーズのようなダイヤなのだ...
と思い込んだのでした。
(なぜかそのビーズはわが家に大量にありました)

「たとえ安い宝石なのだとしても、私は本物の宝石を持っている」
と、ワクワクしたものです。
もちろんクラスの友人に、
「ダイヤモンド?うちにいっぱいあるよ」
と報告するのも忘れませんでした。


本物のダイヤは高価だし、わが家にそんなに本物のダイヤがあるわけがないと分かったときは
星新一にダマされた...
と思ったのでした。


サイエンス・フィクションなんて言葉も知らない、かわいい時代の話です。


今月の雑記、テーマは「子ども(時代)の勘違い・思い込み」でお送りしました。

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