7月の雑記のテーマは「ヒヤっとしたできごと」です。
ヒヤッ...この季節、やはり怪談でしょうか。
それはわたしが小学校3、4年生だったと記憶しています。夏休み中だったせいか、寝苦しい夜を少しでも涼しく過ごせるようにと、奥の子ども部屋から広々とした仏間に床をこしらえた夜が数日ありました。わたしと姉のふたり、いつもとは違う感じに興奮しつつも布団に入りました。昼の遊び疲れでスヤスヤと寝入ったのはよかったのですが、熱帯夜の寝苦しさのためか、ふと夜中に目が覚めたわたし。襖を閉めたとなりの座敷からなにやら物音がすることに気づきました。姉はぐっすり眠ったまま。何の音だろう? バサバサ...カサカサ...音は途切れることなく続きます。え...なに...? 暗闇に目を凝らすも、襖の向こうは見えるはずもなく。バサバサ...カサカサ...なにか紙をめくるような音...。じっとりと汗を流したまま眠れなくなってしまいました。どのくらい時間が経ったのか、意を決して襖に近寄り、そっと、そっと、襖を細めに開け、隣を除くと...
なーんだ!扇風機がつけっぱなしで新聞紙をバサバサとめくっていたのでした!なんだよー!一時に緊張の糸がとけ、そのまま布団に倒れこんで朝まで熟睡したのでした。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、そんなことわざを知ったのはずっと大人になってからです。とほほ。