東京では先週の日曜日14日に春一番が吹きました。
「春一番」というとキャンディーズと『風にのってきたメアリー・ポピンズ』を思い出します。
さて、ここから、どちらの話題をとりあげるのか、迷いましたが、キャンディーズにちなんで「歌謡」をテーマにしてみましょう。
NDCで該当しそうなこところを順番に見ていくと、まず『琉球歌謡論』が388.9199つまり民謡という理解です。件名は「琉球歌謡」があります。次が767.8、ずばり「歌謡曲」の分類なのですが、件名は、というと「流行歌」を使用しています。そして911.11「記紀歌謡」があります。「古事記・日本書紀に記載されている歌謡」のことです。件名も「記紀歌謡」。このへんで、そもそも「歌謡」とはなんだろう、と思いませんか。『広辞苑』によれば語義として3つ掲載されていて、語源に近い、つまり元の意味としては「韻文形式の文学の総称」と書かれています。普段使う「歌謡曲」の方は、2番めにある「特に音楽性を伴う口唱(ママ)文学」が、該当しませんか。
ここで脱線というか、長文の引用で、申し訳ないのですが『世界大百科事典』の「歌謡曲」の冒頭が面白かったです。「日本の代表的大衆歌曲。〈歌謡〉は日本古来の歌を意味し,明治期に西欧の芸術歌曲を〈歌謡曲〉と呼んで新時代の歌を区別した。それが現在のように大衆歌曲を意味するようになったのは,昭和のはじめからで,JOAK(現在の NHK)が,それまで〈流行歌〉〈はやり歌〉と呼ばれていた大衆歌曲の放送にあたって,はやるかはやらないかわからない歌を〈はやり歌〉とするのは適当でないし,またレコード会社の宣伝にならないように考慮して,〈歌謡曲〉という名で放送したことによる」。
どうですか、件名「流行歌」は正しかった?のですね。さて、元に戻って、本命の「歌謡」の分類ですが911.6で、広辞苑の2番めの語義で使用していますね。件名も「歌謡」です。下位の911.66の関連分類項目名に「歌謡曲」があります。では767.8と911.66は、どう使い分けるのでしょうか。当然「音楽性」が主題なら767.8、文学としてなら911.66ということです。