こんにちは、データ部AV班の原田です。
11月の雑記のテーマは「芸術の秋」です。
先日、上野の国立西洋美術館へ行ってきました。
お目当ては、「クラーナハ展 500年後の誘惑」。
ルーカス・クラーナハ(父)は、ドイツのルネサンス期の画家です。
ちょっと冷たい表情のスリムな女性像が、ずいぶん前からお気に入りだったのですが、日本で作品を見る機会はほとんどありませんでした。
この展覧会で多くの作品を見て、解説を読んで、彼が宗教改革者のルターと同時代人だった上、同じ町・ヴィッテンベルクで活動していて、交際があったことがわかりました。
また仕事が速く、大きな工房を経営して絵画の大量生産を行ったり、版画製作にも積極的だったりと、複製時代を先駆けた人だったことも知りました。
彼が使えたザクセン公家の人々の肖像など、油絵でスーパーリアルに描く技術も大したもの。
長年、好きだと思っていたけど、知らないことばかり。そういう人だったのか...。
クラーナハ独特の、細くて冷たい感じの不思議な美女たち。
今までは画家の好みなのだと思っていましたが、実はその時代・その場所の好みなのかもしれないな...と感じました。
今年、こんな本も出版されています。
「ルカス・クラーナハ 流行服を纏った聖女たちの誘惑」
八坂書房(2016.8
なるほど、美女たちのドレスは当時の流行服でしたか。
やはり、彼女たちは16世紀ドイツ好みの美しさなのでしょう。