明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
11月の新設件名は5件でしたが、うち3件がカタカナ言葉でした。その、どれもが、紹介するのが難しいものでしたが、一番多くタイトル中に出現した「ウェブデザイン」にしてみます。
「ウェブデザイン」は、たとえば「個々のウェブページやそれをまとめたウェブサイト上の情報の見せ方をデザインすること」や「ウェブページやウェブサイトにおける視覚面に対するデザイン,ウェブサイト全体の情報設計・グラフィックデザインやGUIの設計・ウェブアプリケーションのUI設計構築など多岐にわたる」と説明されています。前者の説明は、すっきりしていますが、「デザイン」に対し「視覚面に対する」と限定しています。しかし実際の図書での使用は「視覚面」に限定されていないように思えます。それというのも「デザイン」という外来語が、多様な意味で使用されるようになってきたという背景があるのではないでしょうか。
例えば「小学館 ランダムハウス英和大辞典」でdesignを検索しますと「...を設計[立案,企画]する,...の構想をまとめる」を初めとして20の語義があります。自動詞、他動詞、名詞だそうで、名詞における11つの語義のキーワードを紹介してみます。略図,見取り図,設計,レイアウト,構図,意匠,図案,模様,構想法,計画,企画,腹案,構想,はかりごと,たくらみ,悪巧み,策略,陰謀,意向,意図,目的,深慮,進展,作品,仕組み,構造。なんと多彩な意味がある言葉でしょう。しかし纏めるとなると「デザイン」としか言えなくなってしまいます。日本語で表すのが困難なので、そのまま、使ってしまった、そんな気がします。
ウェブデザイン関連の図書の內容も技術系、美術系、商業系といろいろです。
従来、件名は「ホームページ」としてきましたが、ここは「デザイン」の出番ではなかろうかとなった次第です。ついでに「〇〇デザイン」という他の件名を紹介しておきます。ユニバーサルデザイン、景観デザイン、キャリアデザインの3つです。ほかにも参照形でグラフィック・デザインとかたくさんあるのですが、今日は、ここまでにします。