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分類/件名のおはなしダイジェスト 第8回

こんにちは、データぶー子です。

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分類/件名のおはなしダイジェスト、最終回は小説のお話です。

何の気なしに本を探していたら、複数の作家さんの短編小説を集めた本に出くわしました。
この本の分類は913.68、件名は「小説(日本)-小説集」...あらら?
ここでふと気になってしまったのです。そういえば分類だと文学って言語別だけど、件名だと国名です...。
分類と件名が住み分けをしている好例ですね。
日本の言語にはもちろんアイヌ語もありますが、小説となるとほぼ日本語(琉球語は分類上では津軽方言などと同じく日本語の方言扱いです)で出ているので、日本語の小説集を表す分類913.68と件名「小説(日本)-小説集」はほぼ1対1対応といえます。
しかし、諸外国の言語事情は複雑なため、分類と件名の関係ももっと複雑になっています。

分類933は英語の小説を表しますが、英語を使用している国は多いので、この分類に対応する件名は「小説(アメリカ)」や「小説(イギリス)」の他にも「小説(ニュージーランド)」「小説(カナダ)」「小説(インド)」など多数挙げられます。結果原著が英語の小説集の場合、どこの国の小説が収録されているのか、本の中を探し回る羽目に...。
同様にフランス語の小説を表す分類953やスペイン語の小説の分類963など、ヨーロッパ諸国の言語の小説の分類は、多くの対応する件名を持っています。これはかつて多くの植民地を持ち、旧植民地に広く言語が普及したからですね。

逆のパターン、件名と分類の関係も複雑なものになっています。
「小説(アイルランド)」の場合ですと、アイルランドにはアイルランド語があるので、件名「小説(アイルランド)」に対応している分類はアイルランド語の小説を表す分類993.23がメインだと考えがちです。しかし実際は、英語の933がメインになっています。アイルランド語が復興してきたとはいえ、日常的には英語が用いられているアイルランドならではの現象です。
また、カナダは英語とフランス語の2言語が公用語です。そのため、「小説(カナダ)」は分類933と分類953の2つの分類と対応しています。
他にメジャーな言語が並立している国としてはスイスなどが挙げられます。

小説だけではなく、分類9類の文学は言語と国の関係が複雑なのですが、分類と件名をきちんと組み合わせれば、お目当ての本を見つけることができますよ。

コメント (3)

ソーネチカ:

小学校の図書室で仕事をしている者ですが、こちらの記事とは関係ないのですが、分類のことでお聞きしてよろしいでしょうか。
「記号 マーク」についての本ですが、公共図書館の分類を検索しても、同じような本なのに、801.9と727に分かれていることがあります。小学校では数が少ないので、一つの分類に統一したいと思いますが、どちらの類の方が良いと思われますか。

データ部分類/件名 豊田:

ソーネチカさん、コメントありがとうございます。
TRCでは、「記号」は絵文字の一種と考えて分類を801.9に、「シンボルマーク」は図案の一種と考えて727に分類しています。
その結果、どちらに重点を置いているかによって分類がわかれてしまっています。
ただ児童書については、図案やデザインとして取り上げるというよりも、記号の意味について解説する本の方が多いと思われますので、統一するなら801.9が適当かと思います。
今後とも、TRC MARCをよろしくお願いいたします。

ソーネチカ:

お忙しいところ回答頂き、ありがとうございました。
大いに納得しました。

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