照りつける強烈な陽ざし... 夏ですね。
今朝、通勤途中の駅で
紗の衣をまとったお坊様を見かけました。
もうすぐお盆。昔を偲ぶ季節です。
少し前に実家に帰った時のこと。
父から「お前が生まれたころ、「米穀通帳」というのがあったの、知ってるか?」
との言葉とともに手渡されたのは
この通帳がないとお米を手に入れることができなかったそうです。
自分が生まれた時期に対して「戦後の混乱期」「食糧不足」
というイメージがなかったのですが
まだまだ厳しい時代だったということだったのでしょうか。
さて、この写真にあります「農林省」。
もしかして「農林水産省」の誤植?
それとも、昭和42年当時はこのような名称の省庁が
あったのでしょうか?
今回は このような省庁について調査する際に
どんな参考資料を使っているのかを お話しします。
現代の省庁については
「行政機構図」(一般財団法人行政管理研究センター発行)を
使用しています。
内部部局、地方支分部局などの組織間の関連についても
記されており、なくてはならない参考資料です。
ただし「行政機構図」は年鑑ですので
(毎年10月ごろに発行されます)
組織の再編があったり新設されたりした場合は反映されるまで
時間がかかることも。
そのため「行政機構図」とあわせて、各省庁のホームページも
参照するようにしています。
では、過去の省庁については?
数ある参考資料のなかで 私の一推しは
「国史大辞典」(吉川弘文館刊)です。
一推しポイントは、組織の変遷が文章での説明だけではなく
図でもあらわされていてわかりやすいこと。
省庁の変遷は複雑かつ入り組んでいることが多々あるのですが
この変遷図を見れば一目瞭然です。
例えば「農林省」の変遷を
「農商務省・農林省・農商省・農林水産省機構変遷図」で
辿ってみますと
明治14年4月に「農商務省」として設置、
大正14年4月に「農林省」となり、
昭和53年7月に「農林水産省」に改称 となっています。
ということは
昭和42年当時の名称は「農林省」で、間違いないようですね。
同じく吉川弘文館から出ている
「事典 昭和戦前期の日本-制度と実態-」
「事典 昭和戦後期の日本-占領と改革-」も
必要に応じて参照しています。
自分が生まれる前の時代を「古い時代」ととらえがちですが
自分の生まれ年が記された米穀手帳を手渡されたことで
昭和もすでに「古い時代」になりつつあることを
実感しました。
平成元年に生まれた人も もうすぐ30歳。
その平成も 残りあと1年ないのですものね。
昭和は遠くなりにけり...
変色した米穀手帳を手に 思わずつぶやいたことでした。