こんにちは、典拠班の木内です。
最近気になったニュース、それは...
2020年市川海老蔵が十三代目市川團十郎白猿を襲名
わたし自身、歌舞伎に明るくはないのですが、仕事柄気になったことふたつ。約1年後には13代目の典拠ファイルを作成するのだな、ということ。そして、團十郎のあとに付されている「白猿」。
昨年11月のデータ部ログ「世系のある人 ~典拠のはなし~」では市川染五郎さんを例に取り上げました。市川団十郎(團十郎)の個人名典拠ファイル、もちろんあります。
市川/団十郎(初代) 1660~1704
市川/団十郎(2代目) 1688~1758
市川/団十郎(4代目) 1711~1778
などなど...
個人名典拠ファイルの作成は、図書の著者や個人件名に出現した場合のみですので、初代から12代目まですべての典拠ファイルがあるわけではありません。ここが典拠ファイルと人名辞典の違うところ、典拠ファイルはあくまで図書を探すために特化したツールです。
特定の○代目団十郎ではなく、これまで団十郎を名乗った代々について知りたい、といった場合、氏族名および家の名として作成されている件名典拠ファイル「市川団十郎(世系)」をご利用いただくと便利です。ぜひ、お試しください。
さて、十三代目市川團十郎白猿。
「白猿」「団十郎」をキーワードにTOOLiで図書や典拠ファイルを検索してみると、いくつかヒットしました。
「五世市川団十郎集 白猿と江戸文壇」ゆまに書房(1975年刊)
市川/団十郎(5代目) 1741~1806 号:花道つらね・三升・白猿等
市川/団十郎(7代目) 1791~1859 俳名:三升,白猿,夜雨庵
白猿を号として使用していた団十郎、これまでもいたのですね。しかし、個人名典拠ファイルの統一形(見出し語)はすべて市川/団十郎。団十郎白猿のように団十郎の後ろに号を付した形はこれまでありません。13代目襲名後、もちろん13代目に関する図書が出版されること間違いなし。さて、図書にはどのように表記されてくるのか。そして、13代目の典拠ファイルはどのように作成されるのか。典拠班の検討必至。みなさま、ご注目下さい。