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2019年6月 6日 アーカイブ

2019年6月 6日

万葉の思い出

6月になりました。
改元から1カ月が過ぎましたね。

今月のデータ部ログの雑記テーマは
「万葉集および和歌」です。


新元号「令和」の典拠は
日本最古の歌集である万葉集。


新天皇即位に伴うMARC等の訂正の準備に追われる中、
このニュースは私にとって一服の清涼剤、
日々の疲れがいやされる気がしました。


どんなにふるい時代でも
人の持つ親ごころや恋ごころは
現代と変わらないもの...
それがわかる歌がたくさんおさめられている万葉集。


ここからすこし 万葉にまつわる思い出にお付き合いください。


万葉集は 大学時代の専攻でした。


入学した大学には
万葉研究で知られたH先生がいらっしゃいました。
もともと万葉集に興味があったのですが
そのような有名な先生がいるとは知らずに入学したので
これはラッキー!とばかり
H先生の講義を受講し、ゼミに参加し
たくさんの教えをいただきました。


「詠うは訴うことです」
「こころは糸状のものと考えられていたのですよ」

 確かに こころ(気持ち)は 張る、切れる、はりつめる...
 (この教えをいただいたためか 今だに
  こころが折れる という表現に馴染めないのです)  


ゼミ合宿で明日香にも数回ご一緒しました。


明日香の史跡はレンタサイクルで巡るのが一番なのですが
60歳を迎えた先生にレンタサイクルは危険だろうか、と
ゼミ員一同 内心はらはら。


でも、実際はまったく問題なし。
(60歳はまだまだ若い、と今なら思えます。
  失礼極まりなかった...)


一同の先頭をきって自転車を駆り
お昼にはコンビニの超特大3種の具入りおにぎりを召し上がり
ポイントポイントで丁寧な講義をされ...


先生が一番元気だったかも。


海苔がぱりぱり式、に なじみがなく
巻くのをお手伝いしたコンビニおにぎりを手にした先生の笑顔、
雨上がりの明日香路にかかった大きな虹とともに
忘れられない思い出です。


これをきっかけに学生のときには
一人でも万葉集ゆかりの地を訪ねました。


山辺の道をぽくぽく歩いて、
にゅうめん(温かい素麺に初対面)を食べたり
風車をいっぱい並べて
あぜ道に座っているおじいさんと話をしたり。
これも大事な思い出です。


卒業論文のテーマに選んだのは 
先生の専門であった柿本人麻呂や大伴家持ではなく
狭野茅上娘子。
若かった私は 研究対象として充分か、よりも
自分の好み(=情熱的な歌)でテーマを選んでしまいました。
案の定、研究書が少なく論文は苦戦。
先生に多大なるご心配をかけました。


雪の日の口頭試問で
そんな私の論文の詰めの甘さを指摘してくださいつつも
研究を続けないか とおっしゃってくださったこと
そして  
卒業後も研究室に伺うと 喜んで迎えてくださったこと
年賀状をずっと交換してくださったこと


それらの学恩に ついに報いることができませんでした。


先生が亡くなられて 6年。

令和になったことを機に 
万葉集をもう一度ひらいてみようと思います。
そして万葉集だけでなく
「学ぶこと」を再び始めてみようかともと思っています。

では さいごに
狭野茅上娘子、柿本人麻呂、大伴家持の歌で 
私の好きな歌を一首ずつ。

君が行く道の長手を繰りたたね焼き滅ぼさむ 天の火もがも(狭野茅上娘子)

東の野に炎の立つ見えて かへり見すれば月傾きぬ(柿本人麻呂)

新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事(大伴家持)

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