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電子コンテンツの話①~コンテンツタイプとMARC~

TRCでは"LibrariE&TRC-DL"という電子図書館サービスを提供しています。2020年6月10日現在、全国78自治体(282館)の公共図書館に導入され、いまや国内導入実績NO.1。

2010年に事業をスタートし、2020年4月現在、約8万2千タイトル(青空文庫除く)の電子コンテンツを提供しています。2018年10月からはスイスのビブリオテカ社と提携し、同社の150万タイトルを超える電子洋書も扱えるようになりました。


このコロナウイルス禍の中で、自宅から電子コンテンツを借りることが出来る電子図書館サービスは、大きな注目を集めています。"LibrariE&TRC-DL"導入館における2020年3月の電子の貸出実績は、前年同月比の約2.5倍増となりました。4月も右肩上がりで増え、5月に至っては前年同月比の5倍以上という結果に。認知度がますます高まっているのが分かります。
また、電子図書館サービスを「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」で申請し、新規導入を検討する図書館も全国的に増えています。


これほどまでに注目されている電子コンテンツ。データ部ログでは、今週から2回にわたって、データ部の目線からその特徴をご紹介していきます。
電子図書館サービス導入を検討している図書館はもちろん、すでに稼働している図書館にとっても、電子コンテンツの理解につながれば幸いです。

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今週は電子コンテンツの基本である"コンテンツタイプ"について整理しましょう。
テキストが主体のコンテンツは大きく分けると、フィックス型とリフロー型の2種類があります。


フィックス型は、どのデバイスで見ても、テキストや図のレイアウトが固定されて表示されます。例えるなら、紙の書籍をスキャンしたPDFを見るようなイメージです。
画像や図表が多い実用書や旅行ガイドなどに向いています。
参考:日本電子出版協会HP<フィックス型電子書籍>


対するリフロー型は、デバイスや画面の大きさに合わせてレイアウトが流動的に表示されます。文字の拡大縮小をすると1行の文字数が自動的に変更されるので、ページの概念がありません。
また、リフロー型の文章はテキストデータなので、文字検索や読み上げ機能に対応できたり、目次をクリックすると本文に飛べたりもします。
これらは紙の書籍にない、電子ならではの特徴ですね。小説や新書などに向いています。
参考:日本電子出版協会HP<リフロー型電子書籍>


電子コンテンツの中には、音声や動画が組み込まれたものもあります。これはリッチコンテンツと呼んでいます。
テキストは補足程度で、音声や映像データが主体のコンテンツもあります。

このように、一口に電子といってもいろいろなタイプがあるのです。


ここで、電子コンテンツのMARCにも少々触れてみます。
データ部では現物からのMARC作成が基本。電子になってもこの「現物主義」は変わりません。
つまり、PCで1件ずつコンテンツを開いての作業となります。その際、上記のコンテンツタイプを把握することが重要です。というのも、MARCの書誌情報に影響しているから。
例えばページ付。フィックス型なら、ノンブルが確認できるものは図書と同様にノンブルから記録します。リフロー型だと前述の通りページが変動してしまうので、「1コンテンツ」と記録しています。
また、音声が組み込まれたリッチコンテンツなら「音声付」と注記をします。

ちなみに、電子コンテンツのMARC特有の考え方はほかにも。
まず、情報源。電子には物理的に背が存在しませんから、標題紙・奥付・表紙の3カ所を情報源としています。
大きさもメジャーで外形を測ることはもちろん不可能なので、入力しません。(ファイルサイズ(バイト数)は記録対象外としています)

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今回は電子コンテンツのタイプとそれにまつわるMARCのお話でした。
次週は、実際にTRCで扱っているコンテンツには具体的にどんなものがあるのか、詳しくご紹介します。

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