9月の雑記テーマは「ダークな本」。
怖いもの、悪いもので魅力的な本をご紹介していきます。
ホラー系が苦手で、怖い本にはついぞ手をだしておらず......
んん、ダーク、ノワール、暗い本......
と悩んだ末に行きついたのがディストピア文学でした。
「侍女の物語」
マーガレット・アトウッド(著)
こちらはディストピア文学の金字塔ともいえる本であり
多くのリスペクトやオマージュが寄せられている作品です。
読み書きや仕事、衣服に至るまで、女性の自由と尊厳が厳しく管理された基督教超原理主義の「ギレアデ共和国」が舞台のこの物語。
主人公オブフレッド(フレッドの所有物の意)は、支配階級の「子を産む機械」である侍女という役割を担っていました。
「子どもを産めるか」「産めないか」によって女性は選別され、
健康な子を埋めれば安泰な未来が、子を成すことができなければ「不完全女」として収容所送りの未来。
物語は、主人公がオブフレッドとして生きる現在と、ひとりの人間として生きた過去を行き来しながら進行していき、
それが余計にギレアデの異質さを際立たせています。
もちろんすべて架空の物語ですが、現代社会へのアイロニーとも感じてしまう......
心のどこかがちくっとするような、不思議な読後感を得られます。
考察の余地が多分にあるこちらの作品、未読の方は是非この機会に是非!
マーガレット・アトウッド(著)
先日グラフィックノベル版も刊行されました。
美しいイラストが不思議な構図で綴られた、鮮烈な赤と黒が映える1冊です。
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